マツダ技報 2019 No.36
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*1,4~5 情報制御モデル開発部 *2~3,6 電子性能開発部 -119- 特集:新型MAZDA3 1. はじめに 2. 車室内の理想音響 Development of Sound for All-New Mazda3 新型MAZDA3 サウンドシステムの開発 redesigned for the All-New Mazda3 by allocating functions with a consideration on productivity. We visualized the sound field characteristics in the car by CAE technology and found the optimal placement of the speaker units to pursue the ideal acoustic performance. The All-New Mazda3 has achieves the appropriate sound as the leading model of new generation products with the sound system based on the placement of a 3 liters bass reflex type woofer in the cowl side and the placement of squawker and tweeter on the top of the door. This paper introduces the main features of the All-New Mazda3’s sound system and its technology. Speaker Layout Infotainment and Control Model Development Dept. Electrical & Electronics Performance Development Dept. Summary With a definition of an ideal acoustic performance for Mazda, the speaker unit and its layout are Key words : Information, Communication, and Control, Audio, Sound System, Acoustic Performance, 六浦 潔*1 Kiyoshi Mutsura 平尾 幸樹*4 Kouki Hirao 若松 功二*2 Koji Wakamatsu 西嶋 孝祥*5 Takayoshi Nishijima 山中 尋詞*3 Hiroshi Yamanaka 手島 由裕*6 Yoshihiro Teshima お客様の好みの音は多岐にわたることから,一つの音を理想として定めることはお客様のニーズにそぐわない。そこでマツダは,お客様の好みの音を聴くための土台となる次・音源に入っている情報を正しく伝える ・ダイナミックレンジの拡大 ンジニアが聴かせたい音が録音されている。マツダは,その意図した音を細部にわたり精巧に再生させることが“音要 約 マツダ技報 の2項目を理想に近づけることが重要であると考えた。 2.1 音源に入っている情報を正しく伝える 音楽は芸術作品でありアーティストやレコーディングエNo.36(2019) 新型MAZDA3では,マツダが考える音響性能の理想を定義し,量産性を見据え機能配分しスピーカーユニット,レイアウトを一新した。理想の音響性能を追求するため,CAE技術による車室内の音場特性の可視化を行いスピーカーユニットの最適な配置場所を見出した。容量3リットルのバスレフ型ウーファーのカウルサイド配置と,スコーカーとツィーターのドア上部への配置をベースとするシステムで,新型MAZDA3のサウンドは新世代商品群のリードとなる車種にふさわしい音響性能を実現した。本稿では,その内容について紹介する。 新世代商品群のサウンドシステム開発では,多くのお客様があらゆる走行シーンで良い音と感じられる音響空間を造ることを目指した。そのために,車室内の理想音響を新たに定め,音場をコントロールすることに主眼を置いて開発した。更に,スピーカーの最適配置をねらい開発初期段階から車両構造へ反映することも行った。 新型MAZDA3では前世代商品群を凌駕する音響性能をもつシステムを開発することができたので,その概要を紹介する。 19

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