マツダ技報 2019 No.36
137/321

3.2 ガラスアンテナ周辺の耐ノイズ性能確立 -128- 3.3 システム構成例 上述の検討結果,課題であったAM性能補償用のチョーFig. 6 AM Radio C/N vs. Distance between HMSL Fig. 7 Distance between HMSL Circuit and Antenna Fig. 8 Constitution of New Generation AM/FMラジオ用アンテナ,デジタルラジオ(海外),AM用アンテナ,デジタルラジオアンテナ(海外),地Rear Glass Antenna System 2) 複数メディア用アンテナの兼用化技術の開発 (1) ワイヤーハーネスの経路規制 (2) ガラスアンテナ周辺の耐ノイズ性能確立 1) デフォッガー用ワイヤーハーネスへのノイズフィルター2) ハッチゲート貫通グロメット部におけるアンテナフィー3) リアワイパーモーターへのノイズフィルター設定 4) ハイマウントストップランプ回路へのノイズフィルター5) ハイマウントストップランプ(以降,HMSLと略称)5)については模擬的な車両試験によりFig. 7のHMSL回30mm以上確保した。 証結果と比較することで,「Δθ5度以下の発生頻度」を評価指標として運用することとした。この値と従来からの指標であるアンテナ利得を評価しながら作りこみを行った。 部品点数を極力抑えるため,また限られたスペースにより多くのメディア用のアンテナを構成するため,複数のメディア用アンテナの統合化を図った。具体的には, FMラジオとDABラジオの2つの異なる周波数帯の電波を,1つの給電端子で広い周波数帯域をカバーするアンテナ素子を構築する技術を開発した。 車載電装品から発生する不要輻射ノイズはラジオアンテナ, またはアンテナフィーダー経由でラジオに混入し, 受信性能を劣化させる。不要輻射ノイズを低減するためには車載電装品からのノイズの輻射やワイヤーハーネスへの伝導を抑制することが主な対策手法となるが, ラジオアンテナ素子やアンテナフィーダーとの距離を離すことも重要である。そこで車室内ワイヤーハーネスのレイアウト段階である開発初期において, 大電流, 高電圧を要する補機や過去にラジオノイズ問題となった補機類の関連ワイヤーハーネスの経路を抽出し, アンテナ及びアンテナフィーダーが車室内で最大限に離れるように調整を行った。 ガラスアンテナ周辺は, ワイヤーハーネスがレイアウトされているため,車載電装品から発生する不要輻射ノイズを回避することが困難なエリアである。そこで下記の5つの施策を行うことにより, ラジオシステムのノイズ耐性を向上させた。 設定(AMノイズ対策用コンデンサー,FMノイズ対策用コイル) ダーとワイヤーハーネスの分離配策 設定(AMノイズ対策用コンデンサー)とGND位置の指定 とアンテナ間の隔離要件確立 路とアンテナ素子間の距離に対する性能劣化量の関係を求め,Fig. 6の検証結果から, 隔離要件となる距離をクコイルを用いずに,新世代リアガラスアンテナシステムを構築することができた(Fig. 8)。 地上デジタルテレビ(国内),FMダイバーシティー受信への対応し,ガラス上にFMラジオ用アンテナを2つ,上デジタルテレビアンテナ(国内)をガラス上へ形成し,デフォッガー端子にFMコイル機能を付加,ノイズ対策用コンデンサーのリアヘッダー搭載,ワイパーユニット内部へノイズフィルターの追加,ワイヤーハーネス/マツダ技報 No.36(2019)

元のページ  ../index.html#137

このブックを見る