マツダ技報 2019 No.36
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■著 者■ 森 大輝 -129- 3.4 受信性能評価 前述の技術進化を織り込んだ新世代リアガラスアンテ4. おわりに 参考文献 HMSL)を行っている。 1) アンテナアンプのパラメーター決定 2) フェーズダイバー制御仕様の決定 Fig. 9 Listening Area (New Generation vs. Current Generation) 重田 一生 田中 真帆 三宅 弘一 長嶺 晋路 島谷 信行 (1) 重田ほか:新型AM/FMラジオ用ガラスアンテナの開た車を開発するために,アンテナシステム開発技術を磨き,お客様の期待を超える車づくりを実現していく。 発,マツダ技報,No.27,pp.114-118(2009) 志村 俊幸 沼元 正樹 マツダ技報 No.36(2019) フィーダー線の別経路配策,チューナーのCピラー部へ搭載,前述の車両構造要件の反映(デフォッガー線,ナシステムを,新型Mazda3に搭載した。その際、開発当初の”あるべき姿”である,高音質な聴取エリアを最大化するため、リアガラスアンテナ以外の受信システムの構成要素についても入念にチューニングした。具体的には下記2点に注力した。 北米の電波環境において複数のアンテナアンプ仕様を試し, AGC量/利得量などの最適値を選定した。 高音質な聴取エリアの最大化をねらい,以下の方針でチューニングを行った。 ・音響特性;フラットな周波数特性,かつノイズ処理による音質劣化を極力回避 ・ダイバーシティー処理;弱電界までフェーズダイバー動作を継続 ベンチテストや市場でのさまざまな電波環境での走行評価を通じて,上記パラメーターや仕様を最適化した後,お客様視点の最終確認の位置づけとして,北米の開発拠点であるMazda North American Operations (MNAO)からカリフォルニア州を南方に縦断する長距離実走評価を行い,Fig. 9のとおり,高音質/良音質で聴けるエリアを現世代比で約2倍に拡大することができた。 今回は,理想の受信システムについてゼロベースで検討をすることにより,コスト/重量の増加を最小限に,受信性能と美しいプロポーションの車両デザインとの両立を実現し,お客様価値を最大化することができた。これからもコネクテッドカー・自動運転・電動化等の技術進化に対応していく中で,通信性能とデザイン性の優れ

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