マツダ技報 2019 No.36
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(4)タスク完了時間の低減による“効率”の向上 -138- に 詳細説明の画像と文言を追加した。これにより,各Fig. 2 Operation Rule with Sense of Unity 8.8インチワイドへと大型化している。そのうえで, i-ACTIVSENSE, 車内外照明, ドアロック, ナビゲーショFig. 3 Setting Items with Picture and Explanation と,その得られた情報を長期記憶と照合し,情報の意味を認識するもの(高次処理)の二種類があるが,後者は“注意資源”を多く使う。“認知”の過程で高次処理されて行われる操作は“ルールベース行動”と呼ばれるのに対して,人間が習熟し,“認知”の過程が低次処理され判断が自動化された操作は“スキルベース行動”と呼ばれ, 比較的“注意資源”を費やさずにできる行動である。ユーザーが学習しやすいHMIを設計し,“スキルベース行動”になるべく早く移行できるようにすることで,意識の脇見の低減し,結果として直観的なHMIとなることを目指した。 新マツダコネクトではその手段の一つとして,全ての画面で操作パターンを統一した。コマンダーの形状から想起される基本的な操作パターンを回転・プッシュと定め,それを基本とした操作体系に全体的に統一することで,ユーザーが無意識のうちに操作を学習し,注意資源を使うことなく直観的に操作できることを目指した(Fig. 2)。 また操作パターンの統一と合わせ,画面内の情報の一覧性を向上することで,瞬時にユーザーが欲する情報を確認でき,迷いなく希望の機能を実行できるようにした。 具体的には,人間の目が縦方向より横方向のほうが動きやすいという特性と前方視界を妨げない高さを考慮し,ディスプレイサイズを現行マツダコネクトの7インチからン・オーディオなどの各種設定項目を対象に,画面右側項目が何を設定するもので,変更した結果どうなるかを分かりやすく示すようにした(Fig. 3)。 USB Audioなどの曲リストヘダイレクトにアクセスできFig. 4 Direct Access to Playing List and Notification List ユーザビリティの指標における“効率”の改善のため,操作の手数を減らし,タスク完了時間の低減を図った。具体的には,ラジオのプリセットや受信可能放送局/る機能,車両状態や不在着信などさまざまな種類の通知情報に素早くアクセスできる機能を搭載した。 現行マツダコネクトでは,音楽再生中の放送局/楽曲リストを表示する際,コマンダーの回転・プッシュ操作を複数回行う必要がある。新マツダコネクトでは,音楽再生画面からコマンダー回転の1操作のみでリストを表示するようにした。また通知情報を確認する際,現行マツダコネクトでは通知の種類に応じてメニューが分かれており,各種の通知を別々に確認する必要がある。新マツダコネクトでは,ホーム画面からコマンダー左チルトの1操作のみで通知を一覧で表示するようにした(Fig. 4)。 マツダ技報 No.36(2019)

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