マツダ技報 2019 No.36
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(3)パワートレイン ④ トランスミッション -6- Fig. 6 Belt-driven ISG (Left), Regenerative Cooperative Braking (Right) いPTラインナップを設定。進化した「SKYACTIV-G/D」SKYACTIV-Gは,最適化した吸気ポートやピストン形SKYACTIV-Dは,排気量を1.8Lとし,超高応答マルチSKYACTIV-Xは,理想の内燃機関を追求するマツダが(Spark Controlled Compression Ignition:SPCCI)」2.0と「トルク」の性能を比較した場合,SKYACTIV-XSKYACTIV-X搭載車とSKYACTIV-G搭載車の一部に,新型MAZDA3は,世界各国のニーズに応えるため幅広に加え,革新的な燃焼方式の「SKYACTIV-X」を世界で初めて量産車に搭載する。またi-ACTIV AWDも進化。どんなシーンでもスムーズで安定した走りと,2WDに迫る実用燃費を実現した。 ① SKYACTIV-G/D 状,燃料の分割噴射,冷却水制御バルブなどの技術を取り入れ,走り・燃費・環境性能を高めた。新型MAZDA3では1.5L,2.0L,2.5Lの3つのバリエーションを設定。ホールピエゾインジェクターによって高圧かつ緻密な多段噴射を実現。低燃費・静粛性・排出ガスの全てをより高次元にバランスさせた。 ② SKYACTIV-X 生み出した独自の燃焼方式「火花点火制御圧縮着火を採用し,ガソリンエンジンで圧縮着火を制御する技術を世界で初めて実用化。伸び感に優れるガソリンエンジンと,初期レスポンスや燃費性能に優れるディーゼルエンジンの良さを併せもつエンジンである。SKYACTIV-G は全域で約10%,最大で30%以上もの性能アップを達成。「燃費率」で見てみると,低車速時でも最大30%ほどの改善を果たし,ディーゼルエンジン同等の性能を実現。更には全域でその優れた燃焼効率を発揮できるため,街中から高速道路まで,あらゆるシーンで力強く,そして低燃費な走りが楽しめる。 ③ M Hybrid マツダの新たな電気デバイス技術としてマイルドハイブリッドを採用。減速エネルギーを回生し,電装品に使う電力として活用するとともに,エンジンの効率が下がる発進加速時にはモーターで駆動をアシストすることで,燃費性能を向上。M Hybridは,減速する際にブレーキで熱エネルギーに変換して捨てていた運動エネルギーをベルトドリブン・インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(ベルト式ISG)で電力に変換し,リチウムイオンバッテリーに蓄電することで電気エネルギーとして貯蔵。DC-DCコンバーターで適正な電圧に変換して各電装品に供給。またベルト式ISGの採用により,駆動力アシストやアイドルストップからのより静かなエンジン始動も可能となった(Fig. 6)。 「コントロール性」に更に磨きをかけ,すっきりとした上質な加速感を実現するため,新型MAZDA3では,ドライブシャフトの剛性を最適化して応答性を高めるとともに,ドライブシャフトの状態をモニターし,状況に応じて最も振動が少なくなるようにトルクの入力をコントロールする制御を採用した。 ⑤ i-ACTIV AWD 新型MAZDA3のi-ACTIV AWDでは,これまでに追求してきた「安心安全」の性能を受け継ぎながら,「走る歓び」と「実用燃費」が更に進化。従来のシステムでは,タイヤの動きや路面状況などをリアルタイムにモニターし,スリップ予兆を検知すると即座に前後輪に適切にトルクを配分していた。新型MAZDA3ではそこから更に一歩進め,4輪のタイヤに「常に余裕を持つ」ことを追求。雨や雪などの滑りやすい路面ではもちろん,ドライ路面での加速・減速・旋回シーンにおいても常にタイヤのグリップ力に余裕を確保し,AWDらしいスムーズで安定した走りができるよう,前後輪のタイヤグリップのバランスをコントロール。そのためにG-ベクタリング コントロール(GVC)と協調しながら,ドライバーのステアリングとアクセル操作の情報とタイヤの接地状態に合わせて前後輪へのトルク配分を制御することで,どんなシーンでも余裕を持った「意のままの走り」を実現。 実用燃費の向上では,機械損失を極限まで低減することを目指した。今回,新たにパワーテイクオフ内にラバーダンパーを新採用することで,実用燃費向上の妨げとなっていた後輪駆動ユニットへの入力トルク変動を大幅に低減。またリアデフユニット内部には,CX-5から採用しているボールベアリングや低粘度オイルに加え,上部にオイルを溜めて必要なところに必要な分だけ供給する新構造を採用することで機械損失を今まで以上に低減。更に,パワーテイクオフとリアディファレンシャルに微小な減速比差を設定することで,トルク配分の反応速度はそのままに,AWD制御の緻密化と合わせて総合的なエネルギー損失の大幅な低減を実現した。 マツダ技報 No.36(2019)

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