マツダ技報 2019 No.36
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(1)マツダエマージェンシーコール (3)スマートフォンアプリとの連携機能 -142- (2)マツダアドバイスコール 車両故障時には,関連する故障内容を車両からサーバー4. システム概要 5. おわりに 参考文献 車載通信機を搭載し,さまざまなコネクティッドサービスを利用可能とした。重大な事故や故障などの“もしも”の場面でも安心と安全を感じていただけるよう,24時間さまざまな場面でお客様をサポートする。ここでは提供する主なサービスについて解説する。 エアバック作動時等に事故が発生した地点を車載通信機経由でコールセンターへ自動通報し,救命手配を行う機能である。また体調の急変などにより,SOSボタンを押して手動で通報する機能も搭載した。日本市場においては,自動通報時に,衝突方向・衝突の激しさ・シートベルト着用有無・多重衝突の有無も送信し,コールセンター側で傷害の程度を予測,必要があればドクターヘリに出動要請を行い,救命時間短縮が可能となるD-Call へ自動的にアップロードを行う。更に,走行できないような深刻な故障が発生した場合には,3.2(1)の車載電子取扱説明書と警告灯連携機能により,オペレーターに接続し,適切な処置及び近隣ディーラーへの入庫を案内するとともに購入ディーラーへ情報共有を行う(Fig. 19)。 専用のMyMAZDAアプリを使い,車両状態の確認(メンテナンス部品の交換時期・燃料残量・走行距離等)や,車両から離れた後の状態通知(ドア,トランクの施錠忘れ・スモールライトやハザードランプの点灯継続・盗難防止アラーム),施錠や広い駐車場で車両を見つけるためのハザード点滅等の遠隔操作が行える。また,アプリで目的地を検索し,ナビゲーションに目的地転送する機能も備えている。 サーバーと接続することにより,マツダコネクトシス3.5 車載通信機を使ったコネクティッドサービス 新マツダコネクトでは,新たに携帯電話網を使用するNet®に対応した(4)。 Fig. 19 Link Function Behavior when In-Vehicle Warning Occurred (4)データ更新機能 (CMU)のソフトウェアやナビゲーション地図の差分Fig. 20 Mazda Connect System Diagram (1) 「平成30年版情報通信白書」(総務省)第2部第2節1テム全体を制御するコネクティビティマスタユニットデータ(日本市場のみ)を自動で更新し,システムを最新に保つことが可能とした。 新マツダコネクトでは,これまで述べてきた進化点を一層の高画質・高音質とともに提供するため,システムを構成するユニットの機能・レイアウトを最適化し,音声・映像のデジタル伝送を全面的に採用した。具体的には,チューナーをリアガラスアンテナ近くに配置し,高周波伝送経路であるアンテナフィーダーを短縮した。これによりノイズと信号減衰の影響を低減し,ラジオ受信性能を向上させている。またオーディオアンプは,スタンダード・プレミアムとも他ユニットと独立した別体構成とし,音響性能向上に必要な出力チャンネル数を確保するとともに,スピーカーとのハーネス経路を最短化できるレイアウトとした。 また,デジタル伝送方式として,音声通信に高帯域車載マルチメディアネットワークの一つであるMOST®テクノロジー(Media Oriented Systems Transport)を採用した。これにより音質劣化を防ぐとともに,CMU・オーディオアンプ・チューナー間で必要となる制御・データ・音声通信を最小限のハーネスで実現している。映像通信にはGMSL(Gigabit Multimedia Serial Link)を採用し,高画質を実現している。 本システムの主要部品構成を(Fig. 20)に示す。 マツダコネクトは,お客様に更なる“つながる楽しみ”と“走る歓び”を実感いただける機能やサービスを提供し,これからもお客様の笑顔とともに進化を続けていく。 マツダ技報 No.36(2019)

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