マツダ技報 2019 No.36
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Fig. 10 Comparison of A-pillar Obstruction Angle and (1)インテリアデザイン b.操作系の最適化 ② ヒューマン・マシン・インターフェイス -7- Fig. 9 Comparison of Lifter Tracks Blind Spot Area c.視界・視認性 3.2 ピュアな自分と向き合える室内空間 クルマに乗り込んだ瞬間から,静かで包まれた居心地Fig. 7 Cockpit Fig. 8 Interior Design (2)コクピット ① ドライビングポジション a.シート構造 ることにより,素早くスムーズにシート位置を決めることを可能にした(Fig. 9)。 無駄な力を入れずに済む人体の快適関節リンク角実現と,操作時の筋負担量の最小化に向け,次の進化を全車で採用。 ・前後10mmずつ拡大したステアリングテレスコピック調整幅。 ・太ももをサポートする前チルト調整機構 ・シフターセンタの10mmアップと10mm外側配置 ・軌跡ずれをMinとする新型アクセルパダル 新型MAZDA3の視界性能開発で取り入れたのは,「人間は,左右どちらかの目で見えていればそれを頭で合成し,対象を認知できる」という人間特性と「人間は,瞬間を記憶し,それをつなげて連続した動きとして認識できる」という,いわゆるパラパラ漫画が映像のように見える能力。つまり,左右どちらかの目で常に対象を見続けられる状態をつくり出せれば,「いつでも見える状況」を実現できるということ。この考え方をAピラーの造形に反映し,正しい運転姿勢のまま,自然な動きの中で「いつでも見える状況」を実現した(Fig. 10)。 運転中の注意散漫につながる要因のひとつ「意識のわき見」。これは表示された情報の意味や操作の方法などを迷ってしまい,前方の道路からドライバーの「心」が離れてしまう危険な状態である。新型MAZDA3では,この「意識のわき見」をこれまで以上に減らすために,無意識・直観的に行動できるHMIづくりに取り組んだ。まマツダ技報 No.36(2019) の良い空間に日々の雑念が洗い流され,ピュアな自分と向き合えるようになることが,この情緒的価値のねらいである。 人とクルマとの一体感をより高めることに注力。メーターやルーバーなどは,全てドライバーを中心に完全左右対称にレイアウト。同時にそれらがドライバーに正対する造形としたことで,前後方向の軸感をより高めている(Fig. 7)。その上で深化した魂動デザインのキーとなる「引き算の美学」を,インテリアでも体現。コクピット以外の要素をシンプルに研ぎ澄ましていくことでコクピットの存在感を強調し,まるでクルマと対話しているかのように運転に集中できる,心地よい空間を実現した(Fig. 8)。 新型MAZDA3は,初めて乗るときから誰もが自然に運転に集中できるコクピットを目指した。その実現のため,ぴったりと自然に座れること,さまざまな情報が自然に目や耳に入り色々なスイッチも迷うことなく自然に操作できること,そしてメーターやディスプレイの表示,スイッチを押したときの感触に統一されたルールを感じられることを各機能に折り込んだ。 シート構造やペダル・シフト操作系を進化させることで誰もが正しいドライビングポジションをとることができる。 リフターの軌跡を,ペダルを中心とした円弧に近づけ

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