マツダ技報 2019 No.36
160/321

Fig. 5 Functional Communication Topology of All-New 4.2 車両電子制御情報の集約(通信トポロジ) 旧MAZDA3では2系統のCAN通信ネットワークにCAN-151- 4.3 入力・出力部品のシンプル化 機能の制御部は頭脳ECUに配置する,入力部品はセン *ドア入出力部品では頭脳ECUに窓の開閉判断機能を集約し,ドアに配置したESUは窓開閉のアクチュエーFig. 4 Gradual Approach of Obtaining of the Technology 70機能の機能・制御仕様書を新たに作成した。これは旧MAZDA3の2倍の規模になる。 ZDA3では,情報通信はCAN通信を踏襲しているが,通信ECUに接続することで,車両電子制御情報を集約した。 Fig. 6 Simplification of Door Input / Output Parts Mazda3 サーからの入力信号をデジタル化する,信号伝達はCAN信号によって頭脳ECUに送信する,出力部品は頭脳ECUからの指示に基づきアクチュエーターの出力を制御することで機能が成立するシンプルな構成を目標とした。 その結果,応答性や頭脳ECUが機能不全に陥った際のフェールセーフなど,現時点技術的に入出力部品に残さざるを得ない制御*は残ったが,入出力部品のシンプル化を実現した。 ター制御と異物挟み込み防止のフェールセーフ機能のみを残しシンプル化した。 マツダ技報 No.36(2019) 類似機能を多くもつドメイン内での最適化が最も効果的であること,最適化後の統合機能は処理量が増加することから,最適化前の個別機能の処理が少ないドメインが具現化しやすいことは明白である。 新型MAZDA3では上記視点から,ボディードメインを手の内化の対象とした(Fig. 4)。 ボディードメインの最適化活動においては,機能の開発主幹部門と機能を搭載するECUの設計者が協力し,社内に蓄積された知見の再整理・最適化を実施した。結果,そして,この機能群を処理可能な頭脳ECUを設け,一元処理することとした。また,機能間で共有される車両情報・車両状態等を一元管理・記憶し,情報量を最適化した。 通信する全ECUが接続されており,機能間の情報通信量増加によって伝送可能な情報量が逼迫していた。新型MA系統を機能ドメインごとに分割し,通信系統をすべて頭脳機能ドメインごとに通信系統を分割することで,同系統内のECU通信のみで実現できる簡便な機能の実現及び,機能ドメインごとに合わせた技術進化が容易に行える基盤が整った。 更に,頭脳ECUが機能不全に陥った場合でも機能ドメイン内で関連性の高い機能同士が連携し,フェールセーフに移行するための情報網としても使用可能となった。

元のページ  ../index.html#160

このブックを見る