マツダ技報 2019 No.36
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■著 者■ -158- (Fig. 14)。従来,加工中の刃具摩耗の検出が困難なた4. おわりに 参考文献 Fig. 13 Skill Measurement System Fig. 14 Aluminum Cutting Work on Cylinder Head Fig. 15 Efficiency of Real-time Bit Feed Control Fig. 16 Mass Craftsmanship on All-New Mazda3 (1) Kentaro Nobeoka:ART THINKING BEYOND DESIGN THINKING MAZDA DESIGN: CAR AS ART, 2016 Portland International Conference onManagement of Engineering and Technology, pp.2499 (2016) (2) 篠田ほか:VOCとCO2を同時削減する新塗装技術「アクアテック塗装」,自動車技術, Vol.70, No.6, pp77-82 (2016) (3) 榎本ほか:アルミ加工のための低コスト高能率加工を行うことで,従来の製造精度を超えた平滑な表面のアルミフレークの量産化を実現した(Fig. 13)。 精密加工技術の例として,「人馬一体」と「燃費」を進化させたSKYACTIVエンジンを支える,高効率&高速アルミ切削加工技術(3)を開発した。マシニングセンターによる切削加工の加工点では,摩擦熱によるアルミ材と刃具の軟化/剪断/切粉排出の相反する事象が同時に起こるため,最大効率となる刃具の送り速度が存在するが,この速度は連続加工による刃具摩耗に伴い変化するめ,バリや主軸装置破損の防止を優先し,余裕を持った一定の低速に設定していたが,主軸装置の必要強度と構造設計に踏み込むことで,加工中の応力を直接計測するセンサの組込みに成功し,リアルタイムの刃具摩耗に基づいた送り速度制御による,刃具のパフォーマンスを使い切る高効率な切削加工システムを実現した(Fig. 15)。 新型MAZDA3に展開したマス・クラフツマンシップの取り組みの事例を以下に示す(Fig. 16)。 お客様にモノ造りの意味的価値を感じていただくことは,モノ造りを担う人の根源的な責務であり,マス・クラフツマンシップは,これを大量生産の中で実行するための重要なアプローチであると考えている。ビジネス構造が激変する自動車業界の中で,モノ造りを行う企業として輝きを持った存在になるために,今後もマツダプレミアムの実現に向けて,高いお客様価値を生み出す生産システムを追求しつづける所存である。 技術~切削力センシング適応制御技術の開発~,精密工学会誌,85巻,第2号,pp.133-136 (2019) 安達 範久 マツダ技報 No.36(2019)

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