特集:新世代商品群の生産技術 28 *1~4 車両技術部 -171- 2.1 車両状態の面形状の3Dデータによる再現 実際の車両では,各部品の自重や樹脂成形特有のソリ変1. はじめに 2. 面の3Dデータ評価 Summary Key words : Materials, Production・Manufacture, Bumper/Body/Vehicle Body/Exterior, Forming Process, Development of Plastic Molding which Realizes Deepening 「魂動デザイン」の深化を実現する樹脂成形技術の開発 Die/Mold, Modeling, Process, Press/Resin (Plastics) of“Kodo design” 要 約 Aiming to give a life to vehicles with the simple form and the sensitive light expression, Mazda is deepening the “Kodo – Soul of Motion” design. We, in charge of production engineering, have worked on the realization of the “continuous look” of adjacent parts in the vehicle exterior as if they are one-piece surface part, to achieve "Kodo" that we can feel from the smoothly connected surface flow in the mass production vehicles. In this paper, we introduce a production process design which accurately realizes the design intention, and a new process in the bumper resin molding. Painting, Trim & Final Assembly Engineering Dept. 垰 慎一*1 Shinichi Tao 影本 真也*4 Shinya Kagemoto 田中 宣隆*2 Nobutaka Tanaka 田中 慶和*3 Yoshikazu Tanaka 両に組付けられた時に,どのように光が映り込むかを定量的な指標で判断する必要があり,3Dデータで面の評価ができる仕組みとそのシステムを整備した。 形した複数の部品を締結することで,部品同士の引っ張り合いが生じ,部品単体の面の状態から変化している。その複雑な変形を3Dデータで再現するため,構造解析ソフトを用い,実車状態の面を再現することに取り組んだ。Fig. 1にバンパーユニットの事例を示す。まず,ユニットを構成する樹脂部品に対してソリ変形解析を実施する。次に解析で得られた各部品のソリ変形したモデルを実車同様に3Dデータで組み付けていく。その時に,締結穴や爪などの締結構造や接触する座面の形状に対し,適切な接触条件や拘マツダ技報 No.36(2019) マツダは,シンプルなフォルムと繊細な光の表現でクルマに命を吹き込むことを目指し,「魂動デザイン」を深化させている。その中で生産技術部門として,滑らかに繋がる面の流れによって感じる「塊感」を量産車で実現するため,車両外装の隣り合う部品が一枚の面であるかのような連続感の実現に向け取り組んできた。本稿では,バンパー樹脂成形において,デザイナーの意図をより正確に実現する生産工程設計と新たなプロセスについて紹介する。 「魂動デザイン」のねらいは,命を宿したものだけが放つ,一瞬の動きや美しさを表現することにある。それには,クルマ全体を一つの金属から削り出したかのような「塊感」が必要であり,車体に映り込む光や背景が,ズレや歪なく見えるクルマ造りを目指している。それを量産車で実現するには,バンパーとボンネットなど,隣り合う部品が一枚の面であるかのような連続感が重要である。 本稿では,デザイナーが意図する面の連続感を正確に実現するための製品構造設計から生産工程設計における取り組みついてバンパーを事例にして紹介する。 ねらいの面の連続感を実現するためには,バンパーが車
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