マツダ技報 2019 No.36
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o D° 3.2 生産工程設計 2.3 面の評価指標の設定 l fffiamroN)(rotceVecnere-172- 2.2 光の映り込みの3Dデータによる再現 実車では,車体にライトを当てて光を映り込ませること3. 製品構造/生産工程設計 Predict deformed shape of individual parts Analysis of warpage of individual parts Fig. 1 Deformation Prediction by Parts Assembly Fig. 2 Reproduce Light Reflection by 3D Data Gravity Tightening Gravity Tightening Light reflection into vehicle Reproduce shape of vehicle by 3D data Laser scan of shaped surface Predict shape surface at vehicle assembly condition Analysis of parts Assy Amount of gap to design surface Reproduce light reflection by 3D data (Rendering method) Implement rendering at shaped surface Front side No gap Back side 0.01Fig. 3 Standard Normal Vector on Vehicle 3.1 製品構造設計 樹脂部品であるバンパーは,金属より剛性が低いため,Fig. 4 Product Structure Design by Separate Functions (1)樹脂流動解析 Good area 0.001Bumper unit frame curvature0.0001 束条件を与えることで実車状態を忠実に再現した。その結果,バンパーユニットを実車両に組み付けた時の面の状態と同等の変形を3Dデータで表現することを可能にした。 で,面のズレや歪みの有無を目視評価しており,これを3Dデータで再現することに取り組んだ。検証に当たり,まず実車の形状面をレーザースキャンし,デジタルデータ化することで,実車の面の状態を3Dデータで再現した。この形状面に対し,視点の位置や光源の数・位置を考慮して陰影付けを行うCADツールのレンダリング機能を使い,光を映り込ませた。黒い線が車両の形状面に映り込んだ光のラインを表している(Fig. 2)。その光のラインが,光源の位置や角度を実車と同様になるように設定・調整することで,実車と同じ光の映り込みを3Dデータで再現した。その環境の下,2.1で再現した実車状態の面に対し,このレンダリング評価を行うことで,3Dデータで光の映り込みを評価することを可能にした(参考文献(3)参照)。 これまでの車両品質は,隣り合う部品間の隙と段差の大きさで評価してきた。それに対し本取り組みでは,面の連続感を“隣り合う部品の法線ベクトルが滑らかに繋がること”と定義し,部品間の法線ベクトルの差と光の映り込みの関係を明らかにし,これを車両品質の新たな評価指標として加えた(参考文献(1)参照)。Fig. 3は,横軸をデザイン造形曲率,縦軸を部品間の法線ベクトルの差とし,グラフより下のエリアが違和感を覚えない領域を表す。デザイン造形曲率の大小により違和感を覚えるエリアは変化し,平面に近づくほど僅かな法線ベクトルのズレも視認しやすくなる。この取り組みで,面の連続感を3Dデータで定量的に評価することを可能にした。 自らの重量に加え,構成部品が取り付くことで重力により面が変形する。そこで,自重で変形しにくい製品構造とするため,デザイン造形を再現する意匠部位と荷重を受ける骨格部位に機能を分離した。Fig. 4にバンパーユニットの骨格部位を示す。バンパーユニットに骨格構造を設定することで,重量による変形に対するロバスト性が向上できた。 内外装樹脂部品の射出成形では,金型に充填する溶融樹脂が,冷却されて固化する際に収縮し,その量は充填時の樹脂の圧力・温度により決まる。バンパーのような大物樹マツダ技報 No.36(2019)

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