マツダ技報 2019 No.36
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l l l l )ged( )ged( )ged( )ged(egnAeoT① Control of Initial Wheel Alignment ② Control of Vehicle Height egnAegnAegnAeoTeoTeoT-179- 2.3 動的ホイールアライメントの目標値の設定 従来,生産技術では図面規格を基に寸法バラツキを小Variations -22% Vehicle Height (mm) Initial Vehicle Height (mm) Fig. 3 Control of Dynamic Wheel Alignment Dynamic Wheel Alignment with Variations Dynamic Wheel Alignment Target Vehicle Height (mm) ③ Control of Inclination (1)付加価値の肚落ち (2)目標設定 Wheel Alignment Vehicle Height (mm) 生産技術部門としても目指す付加価値を肚落ちするために活動を行った。動的ホイールアライメントに関係する項目として,車高・動特性の傾きのバラツキに着目し,それぞれ意図的に2~3水準の寸法特性とした完成車を準備し,生産技術部門のメンバーで試乗を行った。試乗の結果,ほとんどのメンバーが図面中央値を再現した車両に対して完成車のバラツキ実力最大を再現した車両でフィーリングの悪化を感じ,当活動における付加価値向上の重要性を肚落ちした。 車高と動特性の傾きについて目標を設定した。車高の目標は操縦安定性の評価指標を用い,全てのお客様にねらいの操縦安定性を感じてもらえるレベルを目標値とし,既存車の車高バラツキから約30%減とした。この目標値は操縦安定性の向上だけでなく,デザイン性の向上や燃費の向上にも寄与するものである。動特性の傾きの目標値は車両のステアリング特性の指標の一つであるスタビリティーファクター (1)と動特性の傾きの関係をシミュレーション検証した結果から算出し,既存車の動特性の傾きバラツキから約22%減を目標とした。 マツダ技報 No.36(2019) 走行中などタイヤが上下にストロークし車高が変化する際,サスペンションのジオメトリーにより,これらの3つの角度も合わせて変化する。車高とトー角の関係を示す(Fig. 3)。動的ホイールアライメントは車高とアライメントの関係が設計のねらいである実線上を変化することが理想である。しかし量産状態においては,部品寸法のバラツキなどから点線の範囲内で動的アライメントのバラツキが発生する。 このバラツキをねらいどおりの実線状態に近づけるためには,①イニシャルアライメント,②車高,③グラフの傾き(以下,動特性の傾き)をコントロールできる必要があり,この3つが動的ホイールアライメントの構成要素である。 さくすることを価値ととらえて,クルマ造りを行ってきた。しかしながら,今一度本来のお客様志向における付加価値を高める業務はどうあるべきかを考え,付加価値を起点とし,それを車両運動特性,構造モデルに置き換え,構造・工法を同時に開発し量産車に織り込む業務プロセスへと変革してきた。この業務プロセス変革の上で,生産技術者自身も動的ホイールアライメントの違いを試乗により納得し,全てのお客様にねらいの運動特性を提供できる目標値を設定した。

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