マツダ技報 2019 No.36
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-180- 3.1 アライメントUCFを活用したモデルの実機検証 ADAMS等のサスペンションユニット単位で行うシミ アライメントUCFは次に示す4つの機能をもつ(Fig. 5)。 新型MAZDA3のリアサスペンションはトーションビー3. 車両構造/工程の造りこみ 3. Assembly Sequence UCF 4. Assembly Method Model 1. Body Master Gauge & Actual Suspension Parts 2. Lifting Platform 3. Load Cell 4. Adjust Position by Shim Plate Torsion-Beam TBA形式のサスペンションは軽量かつスペース効率のSpring Damper Fig. 6 Rear Suspension Spring-Seat する因子の影響度を詳細に把握できた上で有効な対策を行う必要がある。しかし,完成車状態で測定できる検証方法からは,影響因子別の要因分析が困難であった。そこで新たにサスペンションユニット状態での検証が可能なアライメントUCF(Unit Coordination fixture)を検証ツールとして活用した。アライメントUCFによる検証の目的は構造モデルと実機の差を要素分析することであり,影響因子別(①部品寸法影響,②ボディー寸法影響,③組立順序や④工法の影響など)に分離して検証が行える(Fig. 4)。 ①サスペンションユニットとボディーの締結部位を正寸で再現。②タイヤ接地面高さを自由に昇降させることで車高変化を再現。③ストラット上部とタイヤ接地面下部にロードセルを配置することで,タイヤ接地反力とストラット反力を同時に測定。④締結部位のハードポイントを位置変更可能な構造としており,シムを挿入することで部品のバラツキを再現。 2.4 アライメントUCF 前項で設定した新たな目標を達成するためには,関連Vehicle 1. Parts 2. Body Fig. 4 Conceptual Diagram Three-Dimensional Measuring Machine Fig. 5 Alignment Unit Coordination Fixture このアライメントUCFにサスペンションをセットし,三次元測定機を用いてホイールアライメント,部品の取り付け位置,リンク類の形状変形等を計測することで,影響因子別にその影響量を定量的に計測することができるようになり,この結果をフィードバックすることで,構造モデルの精度を向上できる。 従来のクルマ造りに加えて,動的ホイールアライメントの品質向上を実現させるプロセスを新型MAZDA3で構築した。先に述べた動的ホイールアライメントの3つの構成要素 ①イニシャルアライメント,②車高,③動特性の傾きについて,モデルの検証と車両構造,そして工程設定を通じた取り組みを以下に紹介する。 ュレーションと実車の差について要因分析を行う場合,ボディーや部品寸法のバラツキが相互影響している実車測定値を用いての比較は困難である。そこで,モデルと同じユニット単位で,影響因子別に分離検証が可能なアライメントUCFを実機検証ツールとして活用した。 はじめに,リアサスペンションのイニシャルアライメント検証事例を紹介する。新型MAZDA3のリアサスペンション構造を示す(Fig. 6)。 ム形式(以下TBA)を採用している。 良さを高め,力の伝達を滑らかにすることができている。一方でTBAは,アライメントを調整する構造を有しておらず,また曲げ剛性による変位によってホイールアライメントを変化させるため,精度良く曲げ変位によるホイールアライメント変化の関係を把握しておく必要があった。そのため,TBA単品状態(無負荷状態)と完成車静的な状態(1G状態)のホイールアライメントの変化量をモデルと実機で比較検証を行った。この結果,モデルとマツダ技報 No.36(2019)

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