マツダ技報 2019 No.36
192/321

Wheel Center -183- 4. 量産維持管理 5. 結果と今後の課題 6. おわりに 参考文献 Vehicle Height Measuring sensor Weight Measuring Load Cell Fig. 15 Measuring Vehicle Height in Dynamic Alignment Tester Additional Sensor Vehicle Height Fig. 16 Measurement of Vehicle Height Section A Fender Previous Sensor Press Head Peak Tire Section A (1) 安部:自動車の運動と制御,山海堂,pp.70-72 (1992) Fig. 17 Measuring Load of Strut in Assembly Device Tightening Tool Load Cell Base ル中心座標の算出が精度よくできるようになった。 併せてストラット組立工程においてもストラット組立時にストラット反力を計測する工程を導入した(Fig. 17)。 これらにより,ストラットと完成車の荷重と車高データを対で関連付けて管理できるようになった。このデータを用い量産車の品質維持管理が行えるプロセスを構築し,また次期車種を更なる品質向上させるために当データの活用を図る。 今回,動的ホイールアライメントの造り込みという考えに基づき,モデル段階からイニシャルアライメント,車高,動特性の傾きについて,ねらいどおりの特性を実現させる車両構造設計,生産工程設計を取り入れたクルマづくりのプロセスを構築した。今後の課題は,この考えを全ての部品とクルマづくりへと発展させ,マツダが進めるMBD開発の進化につなげることである。 「人馬一体」を達成する「マツダらしい操縦安定性」を量産車で忠実に再現するため,サスペンション領域における動的なホイールアライメントの造り込みに取り組んだ。本稿では従来詳細な検証が困難であったサスペンションの挙動を,アライメントUCFを活用し挙動を明らかにできたことで,その結果を車両構造,生産工程に反映できた。今後もお客様に感動を提供し続けるため,更なる技術開発を継続していく所存である。 マツダ技報 No.36(2019) 量産工程において,これまではイニシャルアライメントの計測のみを行っていたが,車高傾向値監視による中央値ズレやバラツキの早期発見と是正及び輪重情報の精度向上を目的に,完成車の車高と輪重の計測を行う工程を導入した(Fig. 15)。 この車高計測は,既存のホイールアライメントを計測する3つのセンサーを活用し,またフェンダー下端の高さを測定するセンサーを追加した(Fig. 16)。 従来のホイールアライメント計測ではセンサーとタイヤ表面の距離を精度よく測定することが重要であり,その距離の差からトー・キャンバー値を算出していた。今回は同センサーを用いてタイヤ中心座標も算出したが,タイヤ径方向の測定精度も重要となったため,新たにタイヤ径方向のタイヤピーク測定ロジックを開発し,従来のセンサーを活用しながらホイールアライメントとホイー

元のページ  ../index.html#192

このブックを見る