マツダ技報 2019 No.36
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b:板厚とパネル板間隙の段差が閾値内であること -190- のThin/Cut/Derail/No seal/Thickを判定することが Fig. 18 New Sensor Measurement Interval Fig. 19 Sealer Dimension Criteria(After Sealing) Derail/No sealなどの防錆保証に関わる検出をしており,次に②については,塗布後に,塗布後のシーラーが防錆保証に必要な範囲にあり,シーラーの厚みがねらいどおりになっているかを計測し判別している。機能として,Fig. 19できるようにした。 判定は,下記の a b に示す。 a:外板面からの最小厚みが閾値内であること b:外板面からの最大厚みが閾値内であること 上記 a b の寸法が閾値内か検査している。 具体的には,ヘミング断面を計測するために,前述のセンサーをFig. 10のように向かい合わせにすることで,外板からの厚み・幅を計測し検出判定を行っている。 この計測は,わずかな塗料温度の変動により塗着後の塗膜の断面形状が変動することも考慮に入れ,ロバストな検出を行うために,Fig. 20に示すように,計測範囲(青線枠)を指定し,シーラー厚みの最大値と最小値を検査している。 この最小値aを測定し,Fig. 19のように Thin/Cut/また,最大値bを測定してシーラーの厚みを検出し,タイヤとの干渉がないことを保証している。 マツダ技報 の2点を検査している。 Fig. 16 Hemming Structure Criteria(Before Sealing) Fig. 17 Sensor Measurement Interval 検査内容としては, ①シーラー塗布前のヘミング形状が適切であること ②塗布後のシーラー塗膜位置と厚みがねらいどおりであること まず①については,塗布前に,Fig. 16のようなヘミング形状の異常を判別検査している。 判定は,下記の a b c に示す。 a:ヘミング長さが適正な長さで閾値内であること c:ヘミング厚みが5mm以内であること 上記 a b c の寸法を検査している。 計測はFig. 16に示すようなヘミング形状を表す寸法を,塗布開始点から終了点までの全範囲にわたって1mm以内の間隔で検査する(Fig. 17)。 このような詳細な検査を行うにあたっては,測定~データ処理~判定の繰り返しでは,処理時間がかかってしまい,生産効率が下がってしまう。今回はホイールアーチ全ての部位の寸法をセンサーで一とおり計測してデータを蓄積し,塗布前にまとめてデータ処理及び判定を行うことで計測時間を短縮し,なおかつ高分解能での検査を可能にし,最終的には0.5mm間隔で計測を行うようにした(Fig. 18)。 No.36 (2019)

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