[ti ] i] f [t]² tca]² tca regraL rehgH[titrehgregraLCRH[ssendraHmmaerAnoCmmaerAamroeDnoCmμnuomAno0Cutting Angle[Degrees]2つの対策が考えられる。 -196- HardnessHContactArea11801310Fig. 12 Concept of Measures against Deformation Fig. 13 Concept of Contact Area with and without Fig. 14 Deformation Amount and Contact Area Cutting Angle Contact Area Deformation Amount +10+7per Cutting Angles 量高強度なボディーを実現している。そのため,式(1)により,理論上せん断荷重Pは減少する。このことは,実機検証結果からも確認できた。以上のことより,刃先の塑性変形量増加の原因は,せん断荷重ではないことが分かった。 次に,上刃刃先の塑性変形が起こる原因として,接触面積に着目した。接触面積の変化を確認するため,鋼板の引っ張り強さを変えて実機でせん断実験を行い,せん断後の上刃と鋼板の接触面積を計測した。その結果,引っ張り強さが上がるほど,接触面積が狭くなることが確認できたまた,鋼板の硬度を計測した結果では,Fig. 11のように引っ張り強さが上がるほど,鋼板の硬度が切刃の硬度に近づいてきており,鋼板が変形しづらくなることで,上刃と鋼板の接触面積が狭くなることがわかった。そのため,刃先にかかる応力が大きくなり,刃先の塑性変形が大きくなることがわかった。 上記の刃先の塑性変形のメカニズムを基に,刃先の塑性変形の対策に取り組んだ。鋼板にかかる応力が降伏点を超えないようにするためには,Fig. 12のように①上刃の降伏点を上げる対策と,②刃先にかかる応力値を下げる対策の対策①として降伏点の高い切刃の材質に変更すると,大幅に材料費がかかってしまう。そのため,対策②の刃先にかかる応力を低減するための接触面積を広げる対策として,抜き角に着目した。 1310MPa材は,鋼板の引っ張り強さ Bを高くすることで強度を上げつつ,板厚tを薄くすることで軽くし,より軽(Fig. 11)。 Hardness of Upper Cutting DieContactArea980Tensile Strength[MPa]Fig. 11 Contact Area and Hardness per Tensile Strength 2) 刃先の塑性変形対策の取り組み Fig. 13のように,抜き角を抑えることが有効であると考え,そこで,抜き角を変更した際の接触面積と刃先の変形を実機により検証した結果,Fig. 14のように抜き角を抑えることで,接触面積を広げられ,刃先の変形も小さくできることが確認できた。この検証結果より,1310MPa材のせん断加工では,刃先が損傷しない抜き角を標準化し,それを達成するため新たに工程方案の見直しを行った。具体的には,せん断加工工程で問題ない抜き角に設定した展開形状にてせん断し,次工程でリスト成形を行い図面形状にすることで成立させた。 マツダ技報 No.36(2019)
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