マツダ技報 2019 No.36
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-12- 2.2 デザインコンセプトとプロポーション セダンのデザインコンセプトを「凛とした伸びやかさ」(Fig. 4)。 2. エクステリアデザイン 具現化した,新型MAZDA3のデザインについて紹介する。 ザインの使命は,これまでに以上にマツダとお客様の絆を強め,マツダブランドを更なる高みに導くこと。それを実現するためにこれまでのやり方や考え方に縛られることなく,ゼロベースの発想で取り組んだ。 その一例がセダンとファストバック,個性の特化(Fig. 1)である。「セダンとハッチバックは同じボディーで作らなければならない」,「ハッチバックにトランクを付ける=セダン」といった既成概念に捉われることなく,それぞれ理想のデザインを追求した。その結果,それぞれのお客様が求める姿(セダンは品格とエレガンス,ファストバックはパーソナルでスポーティ)をデザインで素直に実現出来たと考える。 とし,このクラスのセダンでは達成が困難とされてきた,伸びやかなプロポーションと様式美を追求した。 一方ファストバックは「色気のある塊」をデザインコンセプトに掲げ,全ての要素を内側へと向けることで得られる圧倒的な塊の強さと凝縮感を実現。 その結果,MAZDA3という共通のネームプレートを持ちながらも大きく異なるプロポーションを実現。これまでにはないセダンとハッチバックそれぞれの個性が際立つデザインを達成した(Fig. 2)。 Fig. 3 Speed of Light Fig. 4 Drama of Light Fig. 5 Cabin and Body as One 2.1 既成概念の打破 新世代商品群のトップバッターである新型MAZDA3デFig. 1 Characters Fig. 2 Proportions らリアに向けて一本の伸びやかなスピード感を表しセダンらしい「凛」とした伸びやかさを強調。ボディーサイドには上品で控えめなリフレクション=光と影の移ろいを表現した(Fig. 3)。 ファストバックではコンセプトに掲げた「色気」を表現するため,従来の自動車デザインに見られたキャラクターラインを廃し,大胆かつドラマチックなリフレクションが見せる味わい深い生命感「艶」を表現した更に従来の自動車デザインではタイヤを強調するためのショルダー(肩)を用いるが,ファストバックではそのショルダーを引き算することでキャビンとボディーをひとつの塊としてとらえることで,他に類を見ないユニークな存在感を実現した(Fig. 5)。 2.3 異なるフォルム「凛と艶」 セダンの造形テーマは「光のスピード」。フロントか2.4 面のアーティスト活動 デザイン本部だけでは美しいデザインは描けてもお客マツダ技報 No.36(2019)

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