マツダ技報 2019 No.36
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(Fig. 6)。 Fig. 9 Cockpit Symmetry 3.2 水平軸 助手席に向けて水平軸を通し,視線が自然と誘導され-13- 3. インテリアデザイン Fig. 6 Co-Creation Scene 2.5 エレメントデザイン マツダとして共通のファミリーフェイスを活かしながFig. 7 Front Fascia Fig. 8 Lamp Design 馬一体空間を目指した。そのためにステアリング・メーター・ルーバーをドライバー中心に完全左右対称に配置し,それらをドライバーに正対させた。その上で,深化した魂動デザインのキーとなる「引き算」を表現。コクピット以外の無駄なノイズを徹底的に研ぎ澄ませることで,まるでクルマと対話しているかのような運転に集中できる心地よいインテリア空間を実現した(Fig. 9)。 る空間構成とした。通常コックピットを強調すると助手席が蔑ろにされることが多い。新型MAZDA3ではこの水平軸を構成することで前席同士,横のコミュニケーション誘発を狙った(Fig. 10)。 更に後席のドアトリム構成は素材・デザインともに前席と同じとすることで,乗員全てに同様の上質かつ平等の快適な室内空間を提供した。 3.1 人とクルマの一体感 インテリアデザインでは人とクルマの一体感が作る人マツダ技報 No.36(2019) 様に届く商品とはならない。これらの魅力的なボディーサイドはマツダデザイン本部が目指した「引き算の美学」に深く共感し,自分ごととして創意工夫したエンジニアと生産工場メンバー全員のチームプレーの成果である。これは研究開発部門と製造部門の関係が近い,スモールプレイヤーであるマツダならではのユニークな取り組み,「共創活動」によって初めて実現した。この共創活動は深化した魂動デザインの実現のため,製造部門自らが発意し「面のアーティスト活動」として,部門を超えた共創活動を実施。現在も改良しながら進化し続けているら,それぞれの「表情作り」に注力。具体的にはセダンは水平方向のエレメントを用いて落ち着きと品格を持たせ,ファストバックには強靭なスタンスが作るスポーティ表現として「ハの字」を強調した。マツダファミリーフェイスの特徴である,シグネチャウイング形状は同じとし,セダンにはクロームメッキで品格を与え,ファストバックにはダークメタル調塗装を採用しスポーティさを強化,個性の最大化を図った(Fig. 7)。 また,引き算の考えの下「ジャストオプティクス」をコンセプトに光りそのものを美しく機能的にデザイン。 マツダがこれまで拘ってきた「丸」モチーフを深さ方向に進化させ,ボディー造形と相まってシンプルながらも深みのある表情づくりに貢献している。また,リアランプでは丸4灯とし,夜間でも一目で新型MAZDA3と認識できる存在感を際立たせた(Fig. 8)。

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