マツダ技報 2019 No.36
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■著 者■ -15- 6. おわりに Fig. 15 Black Leather & Black Fabric Fig. 16 Burgundy 5.3 2層パネル シフトパネルには,深い透明感を持ちながら光を受けFig. 17 Shift Panel やされている。遠くない将来,クルマは個人の所有物ではなくなり,これまで以上に人とクルマの関係が希薄になっていくかも知れない。そんな時代だからこそ,クルマが本来もっていた「所有する喜び,走る歓び」を最大限デザインで表現したい,これが新型MAZDA3へ込めた想いである。そのため,デザイン開発では,素直にお客様の心に響く・刺さるデザインを追求した。魅惑的な色気を追求したファストバックはずっと見ていても決して飽きることがなく,エレガンスと品格を突き詰めたセダンは,上質で落ち着きに満ちた大人を思わせる風格をもたせた。 新型MAZDA3のデザインは見る人の心を揺り動かし,人とクルマをより感情的に繋げることで,このMAZDA3がある生活がお客様の人生をほんの少しだけでも輝かきに満ちたものになれば幸いである。 土田 康剛 マツダ技報 No.36(2019) め,チャコール色のステッチとメイン材を用いることで,エントリーグレード=黒く・暗く・安っぽい,といったこれまでのイメージからの脱却を狙った(Fig. 15)。 ると奥底から精緻な柄が浮かび上がる,新しい2層成型のバイオエンプラを採用。レーザー加工で柄を刻み込んだ1層目の黒いパネルと2層目のクリアパネルで構成。光が当たることで1層目のパネルが乱反射し,メカニカルな表情が浮かび上がる工夫をした。光の移ろいで表情を変化させていく,エクステリアのボディー造形のような豊かな表情を実現した(Fig. 17)。 現在,自動車を取り巻く環境は,CASE(C:コネクテッド,A:自動運転,S:シェアリング,E:EV)がもては

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