マツダ技報 2019 No.36
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4.1 試験車両 2台の試験車両(Fig. 5)の車両諸元をTable 1に示す。 ここで,ℎはドライバーゲイン,τ𝐿はドライバー遅れ時間,τℎはドライバー前方予見時間を表し,y0𝐿は目標軌跡(横変位),yは車両の実走行軌跡,𝛿ℎはドライバーの操舵角を表す。実車実験のy,𝛿ℎの計測値とモデル計算値の誤差が最小となるように,パラメーターℎ, τ𝐿, τℎを同定する。 制御仕様は前後減速度制御(Gxc)を常時ありとし,7に示す。ほぼ同じ走行経路を通っているがGVC Plus -237- 4.2 レーンチェンジ性能の評価 Fig. 6に示すコースで,アクセラを用いてレーンチェ 人間-自動車系の走行結果について車種間でのドライバー Fig. 5 Test Vehicle Table1 Test Vehicle Specification Fig. 6 Lane Change Test Course Fig. 8 Driver-Vehicle Closed Loop Model Fig. 7 Lane Change Test Result Dimension unit Length mm Width mm Wheelbase mm Tread (Fr/Rr) mm Weight(Fr/Rr) kg CG height mm CX-5 AXELA 4470 1795 2700 1555/1560 1595/1595 803/521 874/648 561 CX-5 4495 1840 2700 668 く,レーンチェンジ後半のドライバーの運転操作負担が低減されている。 運転行動の違いを相対的に比較するため,Fig. 8に示すドライバー-車両モデルを用いて評価を実施する。先行研究においてドライバーパラメータτ𝐿の値が大きいほどドライバーはゆったりと余裕を持って運転できていることが知られている (4) 。 マツダ技報 4. 人間-自動車系での制御効果 No.36(2019) 人間-自動車系(閉ループ)でのGVC Plusの制御効果を実際の試験車両で明らかにする。 AXELA ンジ評価を行った。車速は80km/h(アクセル開度一定制御),車線移行幅(横変位)は3.0m,レーン乗移り区間(前後変位)は37mとした。中央に設置した方向指示器は,車両前軸が車線移行区間に入った時に点灯し左右方向をドライバーに知らせる。 直接ヨーモーメント制御(Mzc)の有無を比較評価した。ドライバー操舵角の時系列データと車両走行軌跡をFig. により,時刻1.6sec付近の操舵角がおよそ20%程度小さ

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