マツダ技報 2019 No.36
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-240- るGVC Plusを,エンジン制御コントローラとブレーキ6. GVC Plus制御効果についての考察 7. まとめ 参考文献 ■著 者■ 梅津 大輔 加藤 史律 高原 康典 津村 和典 GVC Plusによってドライバーが運転行動を変化させる要・GVC Plusによってドライバーの運転操作が好適となる角-ロール角の連係といった車両3軸6自由度運動の連係(1) 山門ほか:横運動に連係して加減速を制御する車両の運動特性に関する検討,学術講演会前刷集,No.8-08,pp.9-14 (2008) (2) 梅津ほか:高応答エンジンを用いた量産型G-Vectoring制御車両の開発,学術講演会講演予稿集,No54-1(3) 山門ほか:通常領域におけるブレーキDYCとG-Vectoring制御の比較検討,自動車技術会論文集,Vol.43,No.6,pp.1299-1305 (2012) (4) 安部:ドライバの車両運動性能評価の新たな視点 (特集 走りの質感を追求する評価技術),自動車技術 Vol.69,pp.30-37 (2015) (5) 酒井ほか:視覚感受性に基づくロール感の向上,TOYOTA Technical Review,Vol.55,No.1,pp.20-25 (2006) ここまでの閉ループ評価と開ループ試験の結果から,因は,車両機械特性として操舵角入力に対する車両平面運動(ヨー応答,前後G-横Gの繋がり)と車体ばね上旋回姿勢(ロール角-ピッチ角の繋がり)が改善することが主要因であると考える。 このことは,従来のGVC開発を通じて知られている,ごくわずかな車体姿勢制御や車両応答のリニアリティー改善が,閉ループでのドライバーの操作を大きく改善するという結果とも一致している。 今回新たに開発したGVC Plusではその機能を,ハンドルを切り戻すシーンや左右に切り返すつながりの部分にまで拡張することで,ドライバーにとって更に質感の高い車両挙動を実現することができたと考える。 ・横加加速度に基づく直接ヨーモーメント制御機能であ制御ユニットを用いて実現した。 ・主な制御効果として,車両の安定性向上によりドライバーの操作負担が低減する。レーンチェンジ走行時のドライバー操舵負担が約20%低減し,ダブルレーンチェンジ限界走行時の最大通過車速が約4km/h向上する。 要因は,車両平面運動のヨー応答の改善に加えて,前後加速度-横加速度の連係や,ばね上車両姿勢のピッチ性を微小な質感レベルまで改善しているためであると考える。 6,pp.1310-1314 (2016) マツダ技報 No.36(2019) 砂原 修

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