マツダ技報 2019 No.36
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(2)回路モデルのチェックツール開発 (Share)-256- (Share)(Link) DEVICE INFO. DEVICE MODEL SCHEMATIC VEHICLE SYSTEM OF ONE VEHICLE Wiring Harness Drawing LIBRALY Fig. 3 Development Process Using Model 4.4 車一台の回路をモデル化できる基盤構築 システム設計部門でモデル化されたエレキシステム図(1)ツール機能の増強 Converter (Check) Fig. 4 Model of Circuit for One Vehicle Fig. 5にその概念を示す。対象とする車の仕様から必要Fig. 5 Automatic Check Concept of Circuit を有効活用し,ハンドル位置やボディタイプ,エンジン,仕向け違い等による設定条件を包含した車一台の回路モデルが作成できる基盤構築を行った(Fig. 4)。代表的な施策を以下に記す。 設定条件を全て包含した車一台の回路モデルは,モデルの一元管理ができる反面,回路が複雑になり莫大なデータを取り扱うため,ツールの計算ロジックでは処理しきれない問題が発生した。この問題に対して,ツールベンダーに改善の必要性を理解していただくことで,大規模大規ンダーきれない問題が発生した。この問題に対して,ツールベ 回路に対応可能な計算ロジックを作成し,標準機能としてツールへの実装を行った。また,回路モデルを作成する際の問題として,回路の複雑化から現状の計算ロジックでは設計者の意図どおりに回路作成できない問題が発生し,設計者のスキルに頼った検出と修正の作業が生じていた。そのため,原因となるモデル化の作成ルール/プロセスを見直すとともに,誤入力の防止/検出,入力作業を簡易化する約20個のプラグインソフトウェアを開発し,回路作成作業の簡易化を行った。 車一台の回路をモデル化できるツール基盤を構築したものの,その回路全てを自動でモデル化するまでには至っていないため,回路の接続ミスや漏れを防ぐ仕組みが必要となる。しかし,車の仕向けや装備仕様等による莫大な回路の組み合わせを人手によりチェックすることは不可能なため,自動でチェックできるツールを開発した。となる回路をシステム図から抽出し,車一台の回路モデルとの比較を行うことで,回路の抜け漏れを自動でチェックする仕組みである。これは,部品の設定条件を社内公用語に統一し,社内のさまざまなデータベースと連携したことで実現できた。 マツダ技報 Registration Information unification Integrate No.36(2019)

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