マツダ技報 2019 No.36
277/321

-268- (R2)の反応速度が速いことが分かる。この反応速度差 3.2 高温酸化反応への水添加とEGRガス添加の影響 次に,水添加,EGRガス添加が高温酸化反応(HTO)Fig. 7 Temporal Variation of Temperature and OH Radical under the Condition of H2O Addition and EGR Addition in 850K of Initial Temperature and = 1.0 Fig. 8 Temporal Variation of the ROP of H2O Radical Generated by CH2O + OH ⇔ HCO + H2O Reaction under the Condition of H2O Addition and EGR Addition in 850K of Initial Temperature and = 1.0 Fig. 9に水添加,EGRガス添加における(R5)の反応Fig. 9 Temporal Variation of the ROP of OH Radical Generated by H2O + O ⇔ 2OHReaction under the Condition of H2O Addition and EGR Addition in 850K of Fig. 10 Effect of H2O addition on H2O2 Chemistry Fig. 8における(R2)の反応速度上昇に繋がったものとR2)が活性化し,H2O2ループ支配期間における温度の上(R5) Initial Temperature and = 1.0 H2O2ループの主たる反応以外の素反応(R5)であるこH2O + O ⇔ 2OH とから,水添加はEGRガス添加に比べH2O2ループが活性化していることが分かる。H2O2ループ支配期間の温度上昇はCH2OとOHラジカルを起点とした(R2)~(R4)依存する。そこで,(R2)の反応速度の時間変化を比較することとした。その結果をFig. 8に示す。Fig. 8より,水添加の場合,EGRガス添加に比べH2O2ループ支配期間でのを分析するため,水添加,EGRガス添加のOHラジカルの生成速度(Rate Of Production 以下ROP)について調査した。その結果,H2O2ループ支配期間中のOHラジカル生成速度に明確な差が観察できたのは,以下に示すとが分かった。 H2O2ループに関与可能なOHラジカルの濃度が高くなり,速度を示す。水添加の場合,H2O濃度が高いため,OHラジカル消費速度が相対的に小さくなり,(R5)によるOHラジカル濃度が増加する。その結果,水添加はEGRに比べ考えられる。以上の考察を模式的に示すとFig. 10となる。なお,図中において,矢印の太さは生速成度の大きさを相対的に表す。 以上のことから,水添加,EGRガス添加ともに,希釈による効果により,Baseに対して着火遅れ時間が長くなる。また,水添加とEGRガス添加を比較した場合,水添加は(R5)によりOHラジカル生成が促進されることで,昇が早まる。そのため,水添加は,EGRガス添加に比べて自着火に至る過程の反応を抑制する効果が小さい。 に与える影響について考察する。高温酸化反応の主たるマツダ技報 No.36(2019)

元のページ  ../index.html#277

このブックを見る