マツダ技報 2019 No.36
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た(c)は高い質量効率で振動を低減することが分かる。 (1) 車体を用いた検証 -285- 1次ねじりモードにおけるイナータンスをFig. 8に示す. 各仕様の1次ねじりモードの共振周波数をFig. 6に,モー 2.3 実車を用いた効果検証 減衰節構造を実車のフレームへ適用し,車体フレームTable 2 Properties of Structural Adhesives (20℃, 20Hz) い(a)に対し,節を設定した(b)と(c)で共振周波数が高く,と(b)に対し,損失係数が高い接着剤Aで接合した(c)のモーFig. 6 Resonance Frequency of Test Frames Fig. 7 Modal Damping Ratio of Test Frames Fig. 8 Inertance of Test Frames Loss factor (-) Adhesive Type A Adhesive Type B 83% 58% 825% 87% Storage modulus (MPa) 0.45 564 0.04 2279 4dB 16dB painted) (b)と(c)は同等質量であるため,剛性と減衰性を向上させFig. 9 Applied Location of Damping Stiffener (red Fig. 10 Floor Inertance of Body in Panel (2) 車両を用いた検証 節を設定していない(a)に対し,減衰性の高い接着剤Aで接合した(c)と(d)は大幅にイナータンスが低減する。ここで,(a)に対する低減量は(b)が4dB,(c)が16dBである。の断面変形モードを伴う振動モードにおいて,車体の剛性向上と振動低減効果,更に車両でのロードノイズ低減効果を調べた。今回は,減衰節構造を配置しない車体と配置した車体で比較した.Fig. 9に,減衰節構造を配置した例を示す(赤塗りの部位)。接着剤は,Table 2に示したタイプAと同等特性である。 車体のフロントフレーム先端を加振したときのフロア各点(車体全体の70点)のイナータンスを計測し,周波数ごとに合計した値をFig. 10に示す。主要な共振ピークで共振周波数が約3Hz高くなるとともに,イナータンスが約6dB低減することが分かる。 ロードノイズは,荒れた路面を走行中に発生するゴーという音であり,代表的な車内騒音である。タイヤで発マツダ技報 No.36(2019) ド減衰比をFig. 7に示す。Fig. 6から,節を設定していな剛性が向上していることが分かる。またFig. 7から,(a)ド減衰比が大幅に高く,減衰性が向上していることが分かる。加えて(d)と(e)の比較から,接着剤の損失係数が高いほどモード減衰比が高いことが分かる。

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