マツダ技報 2019 No.36
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■著 者■ 研(株)に,感謝の意を表します。 -288- 5. おわりに 参考文献 System (2) 塗布良品条件 (3) 塗布システム Fig.19 Schematic Diagram of Adhesive Application 3Hzシフトするとともに,振動が約6dB低減することを確認した.更に,100km/h走行時のロードノイズを最大で約5dB低減することを確認した。 (1) 新田ほか:制振材の効率的な利用に関する一指針, 自動車技術会学術講演会予稿集, No.69-99, pp.17-20 (1999) (2) 山口ほか:制振材を積層した自動車車体用パネルの減衰特性の有限要素解析, 日本機械学会論文集(C(3) 加村ほか:パネルの放射音低減によるロードノイズの改善, 自動車技術会学術講演会予稿集, No.976, pp.327-330 (1997) (4) 中川ほか:車体の減衰制御構造の開発, 自動車技術会(5) 氷室ほか:減衰性に優れた構造用接着剤の開発, 自動編), 70巻, 699号, pp.76-82 (2004) 学術講演会予稿集, No.28-19 (2019) 車技術会学術講演会予稿集, No.28-19 (2019) 山本 研一 渡邊 重昭 三好 雄二 八巻 悟 中川 興也 小橋 正信 伊藤 司 片岡 伸介 減衰接着剤を減衰節構造と減衰ウェルドボンド接合に同一工程で塗布するため,塗布ノズルの共通化に取り組んだ。部位ごとの板間隙に応じ,塗布径や塗布高さの関係を実験検証から導くとともに,ロバストな塗布良品条件を導出した。 上記の塗布良品条件を保証するために,従来よりも塗布精度,及び塗布検査精度を向上したシステムを導入した。塗布精度の向上には,サーボモーターで塗布機内の接着剤をエンコーダー値で吐出量に換算する手法を用いた。塗布検査装置は,ノズル上部に取り付け,塗布しながらカメラによる塗布径を計測し,また塗布機の吐出量で高さを代用計測できるようにした。また,4.1章の接着剤品質管理の面から,Fig. 19に示すように,温調システムに加え,最短で接着剤供給できる配管長とするべく,注射器のように吸い取り,その吸い取った接着剤を塗布するドッキングシステムを採用した。 以上の取り組みに加え,接着部の定期的な全破壊検査を実施することで,高い品質を維持している。 車両の軽量化と乗心地の向上,ロードノイズ低減との両立をねらい,振動の伝達系にあたる車体フレームを対象とした減衰制御構造(減衰節構造,減衰ウェルドボンド接合),及び本構造に使用する振動減衰性に優れた構造用接着剤(減衰接着剤)を開発した。簡易フレームを用いて検証した結果,従来の剛性向上手段である節構造では4dB低減するのに対し,減衰節構造では16dB低減し,高い質量効率で振動を低減可能なことを確認した。実車を用いた検証では,車体の骨格モードの共振周波数が約最後に,減衰接着剤の共同開発先であるサンスター技マツダ技報 No.36(2019) 氷室 雄也 吉田 智也 鍵元 皇樹

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