マツダ技報 2019 No.36
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-26- 4.2 SPCCI燃焼の特性 Fig. 7は火花点火伝ぱ燃焼を先行させて自着火燃焼を発3. 機関諸元 4. SPCCI燃焼の部分負荷への適用 Fig. 6 Effect of Intake Air Temperature on HCCI Fig. 7 Effect of Intake Air Temperature on SPCCI Fig. 8は以上の結果を吸気温度を横軸に取り,燃焼位相Fig. 8 Comparison among Intake Air Temperature SPCCI燃焼のもう一つの利点は点火時期によって自己着Combustion Combustion Sensitivities of HCCI and SPCCI されていることがわかる。 に対する影響を示したものである。吸気温度に代表される外乱に対するロバスト性が改善されていることがわかる。 火燃焼の位相を制御できることである。Fig. 9は吸気温度が変化したときの燃焼位相の変化を示す。同条件にて,吸気温度ごとに点火時期を変化させて燃焼位相をMBTに制御をかんがみ,ガソリンエンジンとしてこれまでに例のない高圧縮比16.3を採用した。 筒エンジンの諸元と合わせてTable 1に示す。燃焼室形状を以下の各章において,部分負荷並びに全負荷の燃焼について詳述してゆく。 弁閉時期の温度,圧力及び混合気組成で決定される。このため吸気温度に対する燃焼位相の変化は大きい。Fig. 6 は吸気温度を変化させたときのHCCI燃焼の位相変化を示したものである。吸気温度を低下させると燃焼位相が大きく遅角することがわかる。 生させるSPCCI燃焼において,同じく吸気温度を低下させた場合の熱発生率の変化を示す。図から明らかなように,SKYACTIV-Xでは部分負荷性能と全負荷性能の両立性SKYACTIV-Xの諸元を燃焼開発のために使用した単気Fig. 5に示す。 Table 1 Specification of the tested EnginesFig. 5 Combustion Chamber Geometry 4.1 HCCI燃焼の特性と課題 良く知られているように,HCCI燃焼の燃焼位相は吸気SPCCI燃焼では吸気温度による燃焼位相への影響が緩和マツダ技報 No.36(2019)

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