Fig. 11は燃焼位相-燃焼期間 平面上において,HCCI-27- 以上をまとめるとSPCCI燃焼の特長として以下の3点を③ 低い圧縮比で自己着火燃焼を発生させることができ,0次元計算で求めた図示熱効率である。図中HCCIのカーブFig. 9 Effect of Intake Air Temperature on SPCCI Combustion Phasing under Fixed Spark Ignition Timing Fig. 10 Temperature Compensation by Spark Ignition Fig. 11 Comparison between HCCI and SPCCI Operating Region on the Combustion Phasing - Combustion Duration とSPCCIの比較を行ったものである。背景の等高線はTiming Plane Phasing -30degATDCまで進角すると圧縮比16程度で自己着火燃焼Fig. 12 Auto-Ignition Combustion Fraction as a Function of Compression Ratio and the Propagating Combustion ① 吸気温度等の外乱による燃焼位相への影響が小さい。 ② 吸気温度等の外乱による燃焼位相への影響を点火時 4.3 A/FリーンSPCCIの燃焼特性 SPCCI燃焼では自己着火燃焼を発生させるため伝ぱ燃焼 Fig. 13は図中に示した運転条件においてSPCCI燃焼を行っA/F30で燃焼安定度を確保するためには,圧縮行程で燃料挟まれる運転可能領域が広いことがわかる。また,燃焼期間が長いことによって熱効率においても有利であることがわかる。 次にSPCCI燃焼による要求圧縮比の緩和作用について示す。Fig. 12は火花点火伝ぱ燃焼の開始時期を横軸に,圧縮比を縦軸に取り,自己着火燃焼割合がどのような割合になるかをShell modelを用いて計算したものである。伝ぱ燃焼開始時期を遅らせた状態(-10degATDC)では圧縮比17でも自己着火燃焼は発生しないが,伝ぱ燃焼開始時期をの割合が50%に達することがわかる。 挙げることができる。 期で打ち消すことができる。 希薄燃焼限界とEGR限界を高くすることができる。 を利用する。伝ぱ燃焼はHCCI燃焼に比べて濃い混合比を要求するため,排出NOx濃度が高くなることが懸念される。また,NOxを下げるために点火点近傍の空年比を薄くすると伝ぱ燃焼速度のサイクル変動が大きくなり,後続する自己着火燃焼の発生タイミングが変動する原因となる。伝ぱ燃焼速度のサイクル変動を抑制することがSPCCI燃焼を成立させるために重要な要素となる。 た際のNOx-BSFCトレードオフ線を示したものである。を噴射することによって混合気を成層化する方法がある。マツダ技報 No.36(2019) することが可能である。Fig. 10はこの結果を示したものである。 は,わずかにA/Fを変化させることによって生じた燃焼位相,燃焼期間の変化を示す。SPCCIのカーブは点火時期を変化させることによって生じた同変化を示す。SPCCI燃焼においてはHCCI燃焼と比較し,燃焼騒音と燃焼安定度に
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