マツダ技報 2019 No.36
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-29- を10%改善することができている。しかしながら,外部Addition Combustion Fig. 17 Maximum Charging Efficiency Limited by Pre- SKYACTIV-Xでは燃焼室中心に配置された直接式燃料Fig. 18はTable 2 に示す計算条件にて,筒内混合気の当量Fig. 18 Mixture Equivalence Ratio Distribution in Combustion Chamber Aimed for End Gas Cooling ignition Table 2 Calculation Condition EGRを加えることによって自己着火が抑制され充填効率を Fig. 16(c)は,外部EGRを付与した上で,スワールコン(a) Baseline Heat Release (b) Moderation of Auto-ignition Combustion by EGR (c) Stability Improvement by Swirl Addition Fig. 16 Heat Release Curve of SPCCI Full-Load 次に一層の自己着火抑制のための圧縮行程燃料噴射の効果について説明する。自己着火の抑制のためにはエンドガスの冷却が有効である。エンドガスを冷却するための手段として濃い燃料を燃焼室周辺部に配置し,燃料の気化潜熱によって局所の混合気温度を下げる手段が考えられる。 噴射弁とスワール流動,そして圧縮行程の適切な時期の燃料噴射との組み合わせによって,燃焼室周辺部に円環状の濃い混合気を配置することが可能である。 比分布を計算したものである。燃料噴射時期を適切に選択することによって,燃焼室周辺のエンドガス部に濃い混合気を配置できていることがわかる。 マツダ技報 No.36(2019) グニッション限界にセットしている。Fig. 17は外部EGRを加える等の改善策を施したときのプレイグニッション限界充填効率を示す。外部EGRを加えることによって充填効率向上させることができたものの,熱発生のばらつきは一層悪化していることがわかる。 トロールバルブを閉じることによってスワールを付与した場合の熱発生率を示す。伝ぱ燃焼のサイクル変動が低減され,それにともなって自己着火燃焼の時期・量ともに安定する。急激な熱発生が抑制されると同時に燃焼が緩慢すぎるサイクルを削減することができていることがわかる。

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