マツダ技報 2019 No.36
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-30- Fig. 20 は機関速度2000rpmにおいて低負荷から高負荷6. SPCCI燃焼の適用結果 7. まとめ 参考文献 Fig. 21 Achieved Specific Fuel Consumption at 1500 rpm SKYACTIV-Xではガソリンエンジンとしてこれまでに(1) Koji Hiraya et al.:A Study on Gasoline Fueled-Compression Ignition Engine ~ A Trial of Operation Region Expansion, SAE Paper 2002-01-0416 (2002) (2) Masahisa Yamakawa et.al: Combustion Technology Development for a High Compression Ratio SI Engine, SAE Paper 2011-01-1871 例のない高圧縮比16.3を採用した。 火花点火伝ぱ燃焼後に,圧縮自己着火燃焼を発現させること(SPCCI)によって,部分負荷運転時に高希釈/希薄燃焼を可能とした。更に,火花点火伝ぱ燃焼を併用することの効果により,温度圧力等に対するロバスト性を改善することが可能となった。 高負荷条件においては,自己着火燃焼を緩慢にかつ安定的に発生させることが可能となり,高圧縮比でも十分な軸トルクを発生させることができた。 以上のように,SKYACTIV-Xでは内燃機関の理想に向けた歩みを更に進めることができた。今後は「優れた環境性能」と「走る歓び」のために高圧縮比技術と希薄燃焼技術の開発を一層前進させることによって,豊かな社会の実現に貢献していく。 の付与,圧縮行程噴射によって達成できた機関性能,すなわち,プレイグニッション限界充填効率とその時の図示平均有効圧力の変動の推移を示す。圧縮行程噴射を組み合わせることによって,一層の充填効率の向上と燃焼安定度の改善が図れていることがわかる。 以上示したように,全負荷においてもSPCCI燃焼を使用することによって目標性能を達成することができた。 に至る各負荷の熱発生率の変化を示したものである。充填効率70%までおおむねMBTを維持しながら希薄燃焼を実現し,充填効率70%以上ではCPL(Cylinder Pressure Level) を許容値に抑えるために燃焼位相をリタードしながら,安定した自己着火燃焼を伴って運転できていることがわかる。 これまでのエンジンに対して大幅な燃費率改善を行うことができた。 Fig. 19 はこれまでに述べた,外部EGR,スワール流動Fig. 19 Achieved Charging Efficiency and Combustion Stability at Full Load Fig. 20 SPCCI Heat Release Development with the Engine Load Increase Fig. 21 は最終的に達成された燃費率を示す。 マツダ技報 No.36(2019)

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