マツダ技報 2019 No.36
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45mm -47- (c) SMD 22mm 0 Results and Simulated Results (a) Direct Photography Results and Simulated Results 45° Fig. 7に示す。 Fig. 5 X-ray Measurement Method 20MPa 40MPa 60MPa (a) Raw Image 0.72 (b) Droplet Velocity Fig. 6 Measured Results 燃焼室内に直接噴射された燃料は,微粒化しながら燃焼室壁面に衝突するため,その衝突挙動も重要になる。この挙動予測には千田モデルを用いているが,圧縮行程噴射のように,ノズルからピストンまでの距離が短い条件で検証した事例はない。そこで,広島大学との共同研究で,衝突噴霧の挙動について研究している(6)。 本研究では,単噴孔ノズルから噴射圧力10MPaで噴射した噴霧を,大気圧条件下で22mm離れた平板に45°で衝突させ,衝突前後の液滴速度・径をPIV・Particle Image 微小液滴が巻き上がる(Fig. 8(b))が,計測結果ではその現象は見られない(Fig. 8(a))。この差に基づき,壁面衝突後の液滴速度・径・反射角に影響するモデル係数を修正することで,壁面衝突挙動を高精度化した(Fig. 8(c))。 の自着火は,流体と化学反応の相互干渉でおこるため,変動的かつ局所的現象である。その予測には,前述の流動・噴霧予測技術と素反応を考慮した燃焼予測技術を連成して用いる必要がある。そこで,広島大学・北海道大学との共同研究で,定容容器内のノッキングを対象に,現象解明・予測技術について研究している(7)(8)(9)。 本研究では,内径20mm,長さ80mmの定容容器に空気・ノルマルヘプタン混合気を充填し,中央で点火するこマツダ技報 (a) Direct Photography (b) Previous Model (c) Present Model Fig. 7 Comparison of Free Spray between Measured Analyzer(PIA)で計測した。計算結果では壁面衝突後に(b) Previous Model (c) Present Model Fig. 8 Comparison of Impinging Spray between Measured 3.4 燃焼予測技術 SPCCIの圧縮着火やSIのノッキングのような未燃混合気No.36(2019) 速度が0.72に達した時点で,SMDはほぼ一定になることから,これが微粒化終了位置と考えられる(5)。これらの現象に基づき,一次分裂長さや分裂後の液滴径を決めるモデル係数を噴射圧力・雰囲気密度の変化に対応できるように関数化することで,ノズル近傍の微粒化過程を高精度化した。噴射圧力40MPa,雰囲気密度10kg/m3の自由噴霧挙動を,

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