マツダ技報 2019 No.36
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ytili )noititidnoc yvaehRGEbatsnoitsubmoC hw( -56- (1)内部EGR分配改善 Fig. 18 Air-supply system (Supercharger) (a) 機械抵抗抑制:NA領域でのS/Cの引きずり抵抗を避けるために電磁式クラッチを採用し,エアサプライ(b) 断熱効率改善:ロータープロファイル最適化やロータークリアランス縮小により高効率化を実現した。 (c) NV抑制:吐出前にハウジング内部を昇圧する構造のチューニングにより,高効率と吐出音・振動低減を(d) Heavy-EGR対策: Heavy-EGRによる凝縮水やデポジットの悪影響を避けるため,ベアリングやギアケ6.1 吸気系によるEGR分配改善 SKYACTIV-XではSPCCI燃焼における燃焼制御のためにEGRを活用している。軽負荷域ではSPCCI燃焼の自己GR導入はSPCCI領域を広げるとともに,ポンピングロス(with heavy EGR condition) Improved engine efficiency Fig. 19 Relationship Between Fuel Economy Improvement and Stable Combustion in Relation to Fig. 20 Intake System Passage and Technology for SKYACTIV-Xでは,バルブオーバーラップ中に吸気側Overlap(PVO)方式による内部EGR導入を行っている。EGR導入が可能となった一方で,出力・パッケージ面からSKYACTIV-Xではトーナメント方式の吸気経路を利用す:ΔEGR = small (good) :ΔEGR = Large (poor) Increased EGR Improved EGR Distribution Difference in EGR ratio between cylinders スーパーチャージャー(以下S/C)を選定した(Fig. 18)。 また,S/Cには,以下の技術を取り入れた。 が必要な領域だけ駆動させる。 両立させた。 ース内に侵入するEGRガスの排出や,ブローバイガスによる潤滑を促すための経路を設けた。 これらの対応により,高い環境性能と走りの両立をサポートする最適なエアサプライシステムを提供できた。 着火性確保のために高温の内部EGRを導入する。また,高負荷域になると筒内温度が高温化するため,プリイグニッション抑制のために低温の外部EGRを導入する。多量のE低減という観点からも燃費改善に貢献する。 このように燃費改善から多量のEGR導入要求がある一方で,EGR過多になると燃焼は不安定となる。EGR率の気筒間差が大きいとEGR過多の気筒に制約され十分にEGRが導入できない。SKYACTIV-Xでは吸気系構造の工夫により内部・外部EGR率の気筒間差低減を行い,燃費改善と燃焼安定性を両立した(Fig. 19,20)。 に既燃ガスを吹き戻し,再吸入するPositive Valve また排気シャッターバルブでA/Fリーン領域での内部EGR導入量拡大を図っている。これら技術により多量の内部吸気ランナー長は短縮化しており,多量の内部EGR導入時にはサージタンク内まで内部EGRが吹き戻る。この結果,サージタンク内にEGR濃度ムラが生ずると,導入EGR率の気筒間差につながる。通常のセンターエントリー方式のマニホールドでは空気吸入口付近の空気濃度が高まり,端部にいくほど内部EGR濃度が高まる傾向をもつが,ることで,この問題を解決した。上方にある2箇所の吸気口を気筒間に配置することで,サージタンク内の内部EGRの偏りを抑制することができ,内部EGRの気筒間差を低減できた(Fig. 21)。 6. 熱効率改善に向けた機能強化 マツダ技報 No.36(2019)

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