マツダ技報 2019 No.36
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<効率的な電気駆動> ・ISGとのハーネス距離の最小化 ・DC/DCコンバーターの高容量化 <安定した電源供給と安全性> -72- 2. 開発コンセプト 3. パッケージング 4.1 M Hybrid battery M Hybrid batteryの主要SPECはTable 1のとおり。 Size(L x W x H) mm Weight Nominal Voltage Nominal Capacity Charge Power (25℃, SOC50%,10s) Discharge Power (25℃, SOC50%,10s) Thermal Management M Hybrid batteryではSCiBTMの特徴を活かし,減速エ(1)SCiBTMの特徴 LTOの優れた特徴として,高い安全性/長寿命/優れた4. デバイス概要 Table 1 LiB Specification (LiB appearance) Specification 800x177x55 9.5kg 21.6V 0.216kWh 10kW 12kW Passive ・ISGによるドライバビリティの改善 ISGは従来のオルタネータを置換し内燃機関横にレイFig. 2 Packaging for M Hybrid これらの効果により,電気的損失の低減とキャビン内の乗員スペース/荷室容量の確保を高いレベルで両立するとともに,ホイールベース間にバッテリーを配置し重量等配分・低重心なパッケージングを実現している。 新型MAZDA3 M Hybridに搭載するM Hybrid batteryにはリチウムイオンバッテリー(以下,LiB)を採用しており,負極にチタン酸リチウム(以下,LTO)を用いる東芝製のSCiBTMから構成されている。 ネルギーの回生による燃費向上,衝突時の安全性及び バッテリー寿命の確保を実現している。 低温性能/高入出力/広い実効SOC(State Of Charge: 充電率)レンジがある。外部からの圧力などによって内部短絡が発生しても,LTOが高抵抗に相変化し電流が流れにくくなることで熱暴走に至らない為,発煙・発火の可能性が極めて少ない。低温環境下でもLTO負極上に金属リチウムが析出しないため,低温環境下における充放電によっても劣化が少なく幅広い温度環境にて燃費へ貢献できる。大電流での充放電が可能なため,減速時に大きマツダ技報 新型MAZDA3にて新たに開発したM Hybridでは, お客様へ優れた環境性能を提供しつつ,人間中心を考慮した電動化技術を目指して以下のコンセプトとした。 <スモール商品群への一括企画> ・スモール商品群に展開可能な小型/軽量システム ・人間中心のパッケージ/理想の重量配分 ・減速エネルギーの回生による燃費向上 ・衝突安全性(M Hybrid battery) ・確実なエンジン再始動 ・バッテリー寿命(M Hybrid battery)の確保 乗員の優れた快適性を備え,居住空間を犠牲にしないパッケージングを実現することを目指した。 電動化デバイスを接続するハーネスが長いと電気的損失が増加し効率的に駆動することが難しくなる。したがって,接続するハーネスの距離を最小化するために,電動化デバイスは集約してレイアウトする必要がある。 アウトするため,ISGを中心に電動化デバイスをエンジンルーム近くへ搭載した。M Hybrid batteryをフロア下車室外,DC/DCコンバーターはヘッドライト裏とし パッケージングを最適化した(Fig. 2)。 No.36(2019)

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