マツダ技報 2019 No.36
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-79- Fig. 2 Example of Optimized Section Shape (Rocker) 2.4 新世代ボディーの位置づけ 新型MAZDA3で採用した新しいボディーはCセグメンFig. 3 Concept of New Body Structure (Fig. 1)。 Fig. 1 Process of Structural Optimization 2.2 全体最適視点での機能配分量適正化 上記の結果から,新しいボディーの基本構造を決定しTable 1 Multifunctional Table of Front Floor 2.3 スチールの性質を活かした構造最適化 自動車のボディーに採用する材料はスチール以外にア樹脂材料が一般的であるが,新世代ボディーにおいては加工性に優れ,比較的容易にグローバル調達が可能であることから,スチールで開発を進めた。 前述の基本骨格の検討と機能配分量適正化によって各骨格部材が担うべき機能量目標,例えば操縦安定性能や衝突安全性能目標を達成するために,各骨格部材がどのような役割を果たすべきかを明らかにした。 この目標を達成するため,走行時における骨格への入力の大きさや方向だけでなく,衝突時の変形を考慮してエネルギー吸収効率を最大限高めるため,材質,断面形状,他の骨格部材との繋ぎ構造を工夫した(Fig. 2)。 これにより質量増を伴わずに骨格部材の曲げ/ねじり剛性/強度を向上させた。 ト以下クラスのラインナップ展開を想定し,幅広い質量レンジに対応可能なものとした。ボディーの根幹となる基本骨格を固定要素とし,車格や商品コンセプトに合わせて対応すべき部品は変動要素とした(Fig. 3)。 マツダ技報 No.36(2019) られる骨格を追求した。初めに車体が担うべき機能の進化とそれを支える技術進化を一から構築しなおした上で,車両走行時や衝突時における骨格への入力及びエネルギーの流れ方をトポロジー最適化によって分析したた。基本構造の開発にあたり,車体だけでなくシャシーやシートを含めて一つの部品に多くの機能をもたせることで,物理量のミニマム化にも注力した(Table 1)。 ルミニウム合金を含む軽合金や繊維強化プラスチック等

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