―94―𝑛𝑛𝑛𝑛𝑁𝑁𝑁𝑁𝑗𝑗𝑗𝑗(𝑥𝑥𝑥𝑥𝑗𝑗𝑗𝑗(𝑡𝑡𝑡𝑡))�𝑗𝑗𝑗𝑗𝑗1(1)(2)Table 2 Hierarchical Bayes Model Variable Definitions)()Nxt(bnj(3()axtjijγ()xtij2()xt++GFF++--GFBMot+[ etar tcerroC]%Sij 0ji+=++)jj jjjijnG3.3 実交通環境への適用可能性検討 実交通環境ではDSと違い,さまざまな交通状況が発生する。構築した視認行動モデルに基づく機能低下検知ロジックの課題を洗い出すため,実車運転へ適用して誤検知性能を確認した。実験は市販車にドライバーモニタカメラを設置して計測を行った。走行コースは一般的な市街地,高速道路,ワインディング路,住宅地を含む全長約65km,走行時間2h程度のコースとした。被験者は正常な健康状態を有する20~50代の5名(Sub.1~5)とした。検証結果をFig. 6に示す。提案モデルは正常ドライバーを機能低下が生じている状態と判定した誤判定率は平均10%程度であった。 実車環境で誤判定が生じた支配要因は以下であり,それぞれが生じた割合は➀が65%,➁が35%であった。➀リスクが低い走行環境において,先行車や対向車などの通常運転中に見る対象物を見た場合。➁渋滞による低速走行時や大型トラックに追い越される際などのリスク高い走行環境で危険対象を注視し続けた場合。Fig. 6 Correct Rate of Each Subjects()Nxt=∑ζ+)=()a+()cβij()(GtGGFBPos+Nijxj (t)aj, bj, cjαij, βij, γij( Ex. Vehicle Speed, Road Curvature, etc.)Vehicle MotionEnvironmentijNoise effectsfor each gainVehicleij: Time: Road Curvature : Offset: Steering Angle : FF Gain: Noise Factor ID: Effect of noise factor j: Value of noise factor j1009590858075Sub.1Sub.2Sub.3Sub.4Sub.5Subject IDNoise factor IDFixed e■ect of the gainRandom e■ect of the gainMeaningsMeaningsE■ect of noise factor j for the gainValue of noise factor j at time tNumber of noise factorsFixed e■ects of coe■cientsRandom e■ects of coe■cientsGi (t)Control gain at time tζi 上記原因について,本モデルでは注視対象物の種類や距離といったトップダウン注意の要素や年齢,運転経験等の個人差に関わる要因を組み込めていないこと,漫然や覚醒低下などの一時的な状態変化と区別できていないことがある。一時的な状態変化に対しては,車側からの注意喚起に対してドライバーが正常状態に復帰したかを判定することで一時的な状態変化と異常状態を判別できると考える。また,トップダウン注意の要素と個人差に関わる要因の組み込みについては,対象物の情報はADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)用のセンシングカメラなどから容易に取得できるため,ドライバーが注意を向けた対象が通常運転中に見る対象物であるかを判定すること,個人差要因については,個人ごとに普段の状態を学習して 普段の状態からの逸脱を検知した場合に異常予兆と判定することで解決できると考える。4. 運転操作による機能低下検知技術4.1 運転操作モデル構築と妥当性確認(1)運転操作モデル構築 運転行動には単調な走行環境で行う車線維持や速度調S(𝑡𝑡𝑡𝑡)𝑡𝑡𝑡𝑡C(𝑡𝑡𝑡𝑡)O(𝑡𝑡𝑡𝑡)S(𝑡𝑡𝑡𝑡)𝐺𝐺𝐺𝐺𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐺𝐺𝐺𝐺𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹: Position FB Gain𝐺𝐺𝐺𝐺𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝑀𝑀𝑀𝑀𝐹𝐹𝐹𝐹𝑀𝑀𝑀𝑀: Motion FB Gain𝑗𝑗𝑗𝑗𝑁𝑁𝑁𝑁𝑗𝑗𝑗𝑗𝑥𝑥𝑥𝑥𝑗𝑗𝑗𝑗Fig. 7 Steering Model incl. Driving Characteristics整等の低次機能に基づく行動と,複雑な走行環境で行う周辺確認や予測等の高次機能に基づく行動がある。本稿では,このうち低次機能に基づくステアリング操作モデルについて説明する。ドライバーを車両の制御装置とみなした制御工学ベースのモデルは数多く提案されている(9)(10)。しかし,実際はカーブの曲率や車速等の環境・車両因子に応じてドライバーの運転特性(制御ゲイン)が変化しているため,従来のモデルを実環境へ適用するのは困難である。そこで,ドライバーの運転特性が環境・車両因子から受ける影響も含めて表現したモデルを構築した(11)(Fig. 7)。基本は前方注視モデルであり,曲率に対するステアリング操作量を規定するフィードフォワード(以下,FF)ゲインに加え,車線内での横位置や横速度に対する2つのフィードバックゲイン(以下,FB)から構成されている。更に,各ゲインの基本値に環境・車両因子の影響による変動値を加算する構造とし,運転特性の変化も含めて表現したモデルである。上記の影響は解釈可能な機械学習モデルを構築可能な階層ベイズでモデル化し,各ゲインの値,及び環境・車両因子の影響は,全員に共通する固定効果と個人による変量効果をそれぞれ学習可能とした。各因子とゲインには非線形な関係が含まれることが想定されるため3次式で定義するものとした。ひとつのゲインに対するモデル式と変数の定義を式(1)(2),及びTable 2に示す。Noise Factors : 𝑥𝑥𝑥𝑥1(𝑡𝑡𝑡𝑡),𝑥𝑥𝑥𝑥2(𝑡𝑡𝑡𝑡),・・・,𝑥𝑥𝑥𝑥𝑛𝑛𝑛𝑛(𝑡𝑡𝑡𝑡)C(𝑡𝑡𝑡𝑡)O(𝑡𝑡𝑡𝑡)O(𝑡𝑡𝑡𝑡)・
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