マツダ技報 2021 No.38
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(F1 score)(0<τd<5.0)(τd≦0)―101―)+)+ΔVlΔVl)()t)()t(( (γrγl++αrυαlG−τjτd=τc (0Δ,(priority/non-priority, road width, etc.)Step1+297.1%1.92sFig. 8 Context Example 4. 飛び出し予測(死角的危険)Gl=r=expsgnβrβυlPredictive Accuracy Foresight time4.1 飛び出し予測の課題 飛び出す対象は「歩行者」,「自転車」,「オートバイ」,「自動車」,「その他」があるが,法律による制約が少なく,自由に移動する「歩行者」と「自転車」はルールベースでの予測が難しいと考えられ,これらを対象とした予測技術に取り組む。 先行研究では,衝突回避のため急減速までの余裕時間(Safety Cushion Time: SCT)を指標にした研究(7)(8)があるが,飛び出す対象を「歩行者」か「自転車」のどちらかに固定した条件でSCTを予測している。しかし,実際には事前に飛び出す対象は分からないことが問題である。 一般的にFig. 8に示すような道路環境の因子のなかには,路面の段差や縁石,道路の幅,優先・非優先など自転車の行動に影響を与えるが,歩行者にはあまり影響しないものがある。そこで,「飛び出し事象が生じるときは,道路環境の因子から説明することが可能である。」という仮説を立案した。この作業仮説を検証し,飛び出す対象に影響を与える因子を明確にすることが課題である。4.2 課題解決のアプローチ 東京農工大学スマートモビリティ研究拠点が運営しているヒヤリハットデータベース(HHDB)を用いて,対歩行者また対自転車のニアミス事象を抽出し,そのデータに対して,道路環境の因子にアノテーションを付す。この因子と飛び出してきた対象と結びつける回帰モデルを用いて仮説検証する。2.07sFig. 7 Example of Driving Result (upper: careful, lower: aggressive)expmax()t()t()Vtrラスに属する確率の連続値として出力する。Critical Gapの前方側をGl,後方側をGrとして,下記の式に基づき設定した。(2)(3) ここで,αl,βl,γl,αr,βr,γrは係数である。また࢞Vl,࢞VrはFig. 4 での時刻tにおけるTargetとLead及びRearとの相対速度を表し,sgn(・)は符号関数である。 評価にあたり使用したデータ(2)はSan Francisco Bay地域におけるI80番道路のもので,289台の車線変更データを用いて推定モデルの学習を行い,285台のデータにより性能評価を行った。評価指標として予測精度はTable 2 の F1 値を用いる。予測先出時間 τdは,車線変更すると推定された時刻 τj,ターゲット車が中央線を越える時刻を τcから次式とした。(4) 予測先出時間が大きい値をもつほど優れた早期認識性能をもつことを表し,単位は秒となる。上記の指標を用いて車線変更推定の成敗基準を以下に設定した。 ・Success: 一定時間内に推定された場合  ・Failure: 推定時刻が車線変更時刻より遅い  ・False alarm:推定時刻が早すぎる場合(τd≧5.0) 結果をTable 2 に示す。Step 1+2+3 の予測先出時間は,車線変更による衝突を通常域の減速(0.24G程度)で回避できることを意味する。Table 2 Comparison of Intention Estimation ModelsStep1+2+397.1%

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