マツダ技報 2021 No.38
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(2007)(7) ポンサトーン・ラクシンチャラーンサク:リスクポテンシャル予測による自動車の障害物回避運動制御,計測と制御,Vol.54, No.11, pp.820-823 (2015)(8) 齊藤裕一,井上秀雄,ポンサトーン・ラクシンチャラーンサク,セイフティクッション:走行環境文脈と運転行動状態に基づく危険度推定モデルの構築(第一報)―死角での対歩行者ヒヤリハットの形成過程に対する考察―,2018年度自動車技術会春季大会学術講演会予稿集,文献番号20185429(2018)―103―(3) The Federal Highway Administration: Next trafficanalysistools/ngsim.htm (accessed: 10 May 2015)(4) Hanwool Woo et al.: Dynamic Potential-Model-(5) Hanwool Woo et al.: Lane Change Detection in (6) T. Toledo et al.: Modeling duration of lane changes, 1~3 lanes 6 に示す。オッズ比は確率の比であることから95%信頼区間が存在し,Table 6 ではその上下限を示す。この区間に1を含まなければ,その因子は有意であると見なせ,その因子のみを残した。因子「都市&ビジネス」「一方通行」「交通密度 低」「交通密度 中」は,目的変数に負の影響を与えることから歩行者である と判断する方向へ作用し,それ以外は,自転車である方向へ作用することが統計的に説明できる。Table 6 Logistic Regression AnalysisFactorUrban & BusinessOne waySidewalk: StepTra■c density: LowTra■c density: MiddleWithout leading vehicleTime: 10:00-16:00Time: 16:00-20:00Parked vehicle type: Passenger vehicleBuilding wallStopped vehicleLateral gapPedestrianActualCyclist5. おわりにLower ORUpper OR0.500.361.181.230.220.211.081.071.511.011.511.061.19PredictionPedestrianCyclist147 290.980.882.212.270.870.782.242.343.47in Dynamic Systems, Human Factors, Vol.37, No.1, 3.31pp.65-84 (1995)3.522.881.53Generation Simulation, http://ops.fhwa.dot.gov/Based Feature for Lane Change Prediction, 2016 IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics (SMC), (2016)Other Vehicles Based on Vehicle Trajectory Prediction,: IEEE Robotics and Automation Letters, Vol.2, No.2, pp.1109-1116 (2017)Transportation Research Record, Journal of the Transportation Research Board, Vol.1999, pp.71-78 48102 他車の車線変更予測と飛び出し予測について取り組んだ。車線変更予測では,車線内走行における加減速,車間距離の行動モデルを構築し,そのモデルを用いて他車の運転様式を判別することで予測性能を向上させた。飛び出し予測では,環境特徴から飛び出してくるのが歩行者か自転車かを判別する機能を開発し,予測性能の向上の目途が立った。 いずれの取り組みも,予測器の構成を意味のある機能に分解し,必要に応じて統計的な手法でモデル化することで,どのような機能・性能を有しているかを分かりやすく示すことができる。今後も機能・性能の向上を計画的に進めていく。 分析結果について解釈すると,都市部は歩行者の数が多い場所であり一方通行が多く車両が少ないことから,より自由に行動する場所であることなど印象と一致している。自転車と識別する要因については,建物・壁が死角の要因になるときに,飛び出すのが自転車である確率はTable 3 より63%となり歩行者よりも確率が高くなるが,オッズ比も同方向へ作用している。また時間帯については,自転車は業務でも使うことから,日中~夕方にかけて飛び出しが増えるのであろう。対面で走行してくる自転車について,避けやすい乗用車の場合は減速せず飛び出すが,大型車では横移動が大きく慎重になると考えられ,主観と一致する。 この特徴量を使った飛び出し対象の予測性能をTable 7 に示す。この結果から正解率は76%となる。この性能は,飛び出し発生時の急減速の頻度を12%改善することに相当する。以上の結果から,道路環境の因子から説明することが可能であることが検証され,飛び出す対象に影響を与える因子を明確にすることができた。Table 7 Prediction Results from Classification Model参考文献(1) 蓮花一己:交通危険学,啓正社(2) M. R. Endsley: Measurement of Situation Awareness

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