マツダ技報 2021 No.38
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―118― )raey/t( 2 OCFig. 2 E■ect of Aqua-TechFig. 3 Process Transition2. 課題とアプローチFig. 4 Combustion Exhaust Gas Treatment Oven Exhaust Treatment 28% SystemFig. 5 Ecoat Oven EnergyFig. 6 VOC Recovery TechnologyConventional Paint High-efficiency Oven System Oven Primer E-coat 3Wet-on Paint (2002~) Oven E-coat Aqua-tech Paint (2009~) Oven E-coat Oven E-coat Waterborne 3Wet-on Aqua-tech Paint VOC (g/m2) Oven Base-coat Clear-coat Primer Base-coat Clear-coat Flash-Off Base-coat Clear-coat Flash-Off Base-coat Clear-coat VOC Combustion (NA) Waterborne Paint (EM,) Typical Solvent Borne Paint 3Wet-on Paint (Mazda) Open Air N2, O2 Hanger Body Oven Oven Oven Oven [A] Water Burner Water VOC E-coat Oven [B] Cooling [C] VOC Adsorption [D] Vapor Liquid Circulation VOC Removal Rate in One Cycle 20% Usage Guide Air Condensed Water Vapor Hot Air Heating 72% VOC Gas Exhaust Air CO2, NOx Combustion Exhaust Gas Treatment Device Separation [E] After Treatment  これらの技術は,材料機能と設備機能の追求により塗装工程を革新してCO2とVOCの同時削減を可能にするもので,今回は,この考え方を塗装乾燥炉に拡大して,CO2とVOCを同時削減することを目的とした(Fig. 3)。 塗装乾燥炉の機能は,ボディーに塗装した塗膜の乾燥と硬化である。乾燥炉は,140℃以上に加熱した熱風でボディーを温めている。その過程で水蒸気とVOCが発生するが,一定量を炉外に排出することでVOC濃度を爆発限界以下にして安全を確保している。炉外に排出するガスは,大気汚染防止と近隣への臭気防止を目的として,排気処理装置により無害化して放出している。この排気処理装置は,200m3/min以上の大きな風量を連続的に処理する必要性から一般的には燃焼式を採用している。しかし,燃焼という方式ゆえに,VOCを処理する一方でCO2,NOX,煤塵を発生させている(Fig. 4)。 塗装乾燥炉の消費エネルギー内訳を調査すると,熱風加熱が72%,排気処理が28%である。塗膜の乾燥と硬化という乾燥炉の本来の機能から考えると,排気処理に消費されるエネルギーは全てロスととらえることができる(Fig. 5)。 また,排気ガスの内訳は,VOCが0.1wt%(1,000 ppmV),水蒸気が2.5wt%で,残りはN2,O2,CO2など大気成分である。燃焼式の排気処理では,VOC以外の大量の物質を加熱している。 以上より,排気ガスからVOCのみを選択的に回収して処理する技術の開発をアプローチとして,排気処理システムの抜本的な見直しに着手した。3. VOC回収技術開発 本技術のVOCを回収するしくみは以下である。[A]水蒸気を冷却装置に取り込む,[B]装置内部で水蒸気から熱を奪い凝縮水にする,[C]凝縮水にVOCガスを接触させ吸着させる,[D]分離促進機にて液体を回収する。本技術では,VOCガスに含まれるVOC成分を1サイクルで20%除去できた。VOC回収効率を更に向上するには,VOCと水の接触機会を増やすことが有効と分かったため,[E]処理後の空気を[A]に戻して[A]~[E]を何度も循環させるシステムを設計した(Fig. 6)。

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