―120―1. はじめに2. NEDO調査事業Key words:AI, Deep Learning, Automation, Inspection, TireSaving man-power and improving e■ciency at inspection process have recently become urgent issues in the automobile industry due to labor shortage caused by a decline in working population and an increase in inspection items by the spread of advanced safety technologies such as automatic braking. This report describes Mazda’s activity and automation system guidelines by using AI, regarding the NEDO(*a) research business (“Project on the refinement and optimization of automobile completion inspections using AI”) that Mazda has participated in.(*a) NEDO New Energy and Industrial Technology Development OrganizationPainting, Trim & Final Assembly Engineering Dept.Quality Div.Takuya NamatameKenta Iwanaga2.1 NEDO調査事業について 本調査事業は,内閣府主導の「未来投資会議」の1テーマで,AI等のデジタル技術の活用によって「完成検査を人から機械へ置き換える可能性」を実証調査することが目的である。 実証調査は,デロイトトーマツコンサルティング合同会社,トヨタ自動車(株),日産自動車(株),本田技研工*4 品質保証部 Quality Assurance Dept.Nao HorimotoYasuhiro NishinoTakashi OtaniAIを用いた検査工程の精緻化・合理化への取り組みRefinement and Optimization of Inspection Process Using AI効率化に取り組んでいる。 本稿では,NEDO調査事業「AIを活用した自動車の完成検査の精緻化・合理化に係る調査」におけるマツダのリードテーマ「タイヤ仕様検査の自動化」の取り組みと,AIを用いた自動化システム開発・導入のガイドラインについて紹介する。要 約 近年,労働人口減少による人手不足や,自動ブレーキ等の先進安全技術の普及による検査項目の増加などから,自動車業界において検査工程を省人化,効率化することは喫緊の課題となっている。本稿では,マツダが参画した国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)の調査事業「AIを活用した自動車の完成検査の精緻化・合理化に係る調査」(1)におけるマツダの取り組み内容と,AIを用いた自動化システム開発・導入のガイドラインを紹介する。Abstract 近年,少子高齢化により,国内の労働人口は年々減少しており,2040年には2020年比で約20%の労働人口が減少することが予測されている。 また,自動車業界では自動ブレーキ等の先進安全技術の普及や,CASEと呼ばれる新しい領域での技術革新による車両のコネクテッド化など車両機能の高度化が進んでおり,車両の品質保証の重要性が高まっている。 マツダの生産技術では,今後の労働人口減少や車両機能の高度化を見据えて,ロボットやIoT(Internet of Things),AI(人工知能)などの最新技術を取り入れた高効率でフレキシブルな生産工程の実現を目指しており,その中でも近年発展の目覚ましいAIを用いた技術開発によって人の作業の自動化を進め,現業工数と間接工数の*1~3 車両技術部 *5 品質本部 生田目 琢哉*1堀元 直生*2大谷 崇*3岩永 健太*4西野 恭弘*5論文・解説22
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