マツダ技報 2021 No.38
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―125―rebmunrebmunrebmunrebmun(4)未学習のタイヤ(12本) 新しいタイヤ仕様の設定忘れや,製造されないタイヤ仕様が装着された場合においても,検査システムは不具合品の流出防止を担保しなければならないため,未学習タイヤでの検証を行った。 判定結果(Fig. 17)と精度は以下のとおりで,全て「不明」とし検査員に判断を委ねることで不具合品を流出防止できることを確認した。【タイヤ仕様判定精度】:流出率=0%,誤謬率0%(0(2)刻印不良のタイヤ(12本) 装着されたタイヤの刻印にキズ等が入っている場合に,正しく判定を行うか,不明と判定するかを確認するために,キズの入った刻印タイヤでの検証を行った。 判定結果(Fig. 15)と精度は以下のとおりである。【タイヤ仕様判定精度】:流出率=0%,誤謬率0%(0 刻印段差が無くなる激しい損傷で形状を読み取れない場合は「不明」と判定し検査員に判断を委ねることで流出防止できることを確認した。 なお,刻印の一部の欠け,擦れ,0.1mm幅以下の線キズは,画像で形状が読み取れるため「正しく判定」する結果となった。(3)環境不良のタイヤ(10本) 生産工程での製造過程で発生する可能性がある汚れ,異物の付着,充填エア量の変動,タイヤ濡れの影響を確認するために環境不良タイヤ(Table 3)での検証を行った。 判定結果(Fig. 16)と精度は以下のとおりで,測定原理から想定したとおり,刻印を隠す異物,濡れたタイヤは不明と判定した。【タイヤ仕様判定精度】:流出率=0%,誤謬率0%(04.1 自動化の実現可能性 本取り組みのタイヤ仕様自動検査システムは,合理的に想定される生産工程でのさまざまな変動に対して,フレキシブルに対応し,機械と人で不具合品の確実な流出防止ができるため,自動化の実現可能性があることが分かった。4.2 自動化に求められる要件 本取り組みから得られた自動化の導入要件は,以下のとおりである。【システム開発時】・開発段階において,精緻なセンシング技術を用いて,外乱光などの変動に強い安定した画像取得を行うこと・AI判別モデルの構築では,学習画像の変動に影響する物理現象を網羅する学習データをあらかじめ準備すること(正しい判別と誤判別のスコア分布が,それぞれ大きく乖離していること)・AI判別結果(出力スコア)の分類閾値は安全方向に設定し,曖昧な判別結果は全て「不明」とする適切な閾値設定をすること・導入対象の生産工程において,タクトタイム内での安定した稼働を検証することJudge4. まとめ6050Positive15105011Positive000015064000NegativeUnknownNegativeUnknown10151050PositiveNegativePositiveNegativeUnknown12UnknownFig. 14 Result of Other ModelsFig. 15 Result of Defective Marking TireTest modeImageDirtForeign MaterialAir Pressure DropWetFig. 16 Result of Bad ConditionFig. 17 Result of Unlearned TireSensor ImagePositiveUnknownPositiveUnknown本/11本),不明率8%(1本/12本)本/10本),不明率40%(4本/10本)Table 3 Bad Condition Sample Images本/0本),不明率100%(12本/12本)【システム導入時】

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