マツダ技報 2021 No.38
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―150―1. はじめにKey words:Heat engine, Spark ignition engine, Theory/Modeling, Statistic modeling, Gaussian ProcessTo achieve low emission and fuel consumption of vehicle engines, Air Fuel Ratio Control technology is a key technology, which accurately predicts the amount of air in engine cylinders. For the technology, it is necessary to recognize the amount of air in the cylinders in real-time, which transiently changes in a complex way according to driving scenes. We have been studying on estimation technology using a static model called Gaussian Process (GP). Here we report on our study: a selection method of choosing predictor variables for predicting air volume by using GP under WLTC mode, and the estimations.Technical Research CenterPowertrain Development Div.Fumie OgawaMitsugu MeraTokyo University of ScienceKazunori KuwaharaMasayoshi WadaTakuo HiranoKota MatsueEstimation of Air Charging E■ciency Using Gaussian Process要 約 自動車エンジンの低排出ガス・低燃費化の鍵を握るのは,エンジン気筒内の空気量を高精度に予測することによる空燃比制御技術の実現である。 そのためにはさまざまな運転シーンにおいて,過渡的に複雑に変化する筒内の空気量をリアルタイムに把握することが必要である。筆者らはこの課題を解決するために,統計モデルであるGaussian Process(以下,GPと記す)を用いた推定技術について研究している。本報告ではWLTCモード中の条件の下,GPを用いて空気量を予測するための説明変数の選択方法やそれによる推定結果について検討した結果を報告する。Abstract 自動車エンジンの低排出ガス・低燃費化への関心が高まり,燃料をよりクリーンかつ効率的に燃焼する技術が求められている。その鍵を握るのは,エンジン気筒内の空気量を高精度に予測することによる空燃比制御技術の実現である。そのためには,さまざまな運転シーンにおいて過渡的で複雑に変化する筒内の空気量をリアルタイムに把握することが必要である。しかし一般的に,筒内の空気量を推定しようとしてもエンジンの構造上,筒内に空気量センサーを配置することができない。それに対応するために,物理方程式から求めたモデルを通して推定することが考えられるが,物理方程式は過渡的な変化を完全に記述することが困難なことが多い。すなわち実*1,4  技術研究所 *2,3,6  パワートレーン開発本部 小川 史恵*1桑原 一徳*2平野 拓男*3目良 貢*4和田 正義*5松江 浩太*6機の過渡実験データから,エンジン気筒内部において過渡的に変化する空気量の値を高精度に推定する技術の開発が課題である(1)(2)。 筆者らはこの課題を解決するために,統計モデルとして知られるGaussian Process(以下,GP)を用いた推定技術について研究している。GPは,純粋に統計的な手法と比較して,非線形に強い利点を有している。加えて本技術を発展させることで,最小限のセンサー情報から他の多くの状態量をリアルタイムに推定できるソフトセンサーの実現にも貢献できる可能性がある。 本報告ではWLTCモード中の低中速条件を中心にGPを用いて空気量を予測するための説明変数の選択方法や,それによる推定精度(相対誤差)について検討した結果を報告する。*5  東京理科大学 論文・解説27―エンジン筒内の空気充填効率の推定について―ガウス過程回帰を用いたソフトセンサー技術に関する研究

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