,:真値,:真値の平均,n:測定データの数∑ yipredictive:推定値,yitrue yitrueRMSE(Root Mean Square Error) 平均化された誤差の値を表す。(1) R. Benedikt: Local Gaussian Process Regression in Gasoline S5-Engines,2016-01-0624,04/05/ 2016, BMW (2016)(2) 船津,金子:ソフトセンサー入門―基礎から実用的研究例まで―,(2014)(3) Christopher Bishop: Pattern Recognition and Machine Learning, Springer (2006)(4) Carl Edward Rasmussen and Christopher K. I. Williams: Gaussian Processes for Machine Learning, MITPress (2006)―155―R2 (Coe■cient of Determination) モデルの誤差を評価するための相対的な指標,全部の測定データの平均値に対する分散とモデルに対する分散の比を示す。∑(2)2)−yyn2Rii,(yy−niy−yn= 2)∑((5) Ette Harrison Etuk: On Autogressive Model 小川 史恵 目良 貢 4. まとめ,ipredictive,itrue=1nn,itrue,imeasure=1,ipredictive,itrue=11=−order to Model Air Charge of Turbocharged, Identification, Journal of official Statistics, Vol.4, No.2, pp.113-124 (1988)(6) 小川,清水,和田:ガウス過程を用いたガソリンエンジンの吸入空気量推定における 統計モデリング手法の開発」,自動車技術会論文集,2019年50巻2号,pp.260-266(2019)(7) 足立:ユーザのためのシステム同定理論,コロナ社(1993)RMSEば理論空燃比からの逸脱にある程度の閾値などを設け使用することが妥当だと考えるが,フューエルカット復帰時や吸入空気量が少ない時は更に注意が必要である。その理由は,フューエルカット中は筒内の既燃ガスが空気に置換するために空気量が通常運転と数十%程度異なり,また吸入空気量が少ない場面では空気量の予実差によりそれぞれA/Fが理論空燃比から大きく逸脱してエンジンは失火してしまうことになるからである。従って,燃料の濃度についてはリーンかつリッチであっても閾値を設けてモデルを動作させるのがよい。 更には,Lagを0以外に設定することだけでなく,車速が一定とならない領域を十分長く確保できるシーンにおいてLagの変化も考慮しつつGPによる統計モデルを学習させることが重要であると考えられる。これらを踏まえ, Fig. 3に示す指数関数的に最小値を示したLag=10とそのほかのLag値の設定を最適化しながらGPモデルを活用すれば,安定した制御を求めることができると考える。 以上のように統計モデルの推定精度は,説明変数の選択やデータの前処理などに大きく影響を受ける。これらを適切に設定しながらモデルの精度を正しく把握し,制御モデルへの反映可否を検討していくことが重要である。特に燃料のリーン状態などでは,推定精度を出すのが難しく,GPモデルの適用が限定的となる可能性も考えられる。 本研究ではエンジン気筒内の空気量を高精度に予測するため,統計モデルであるGPの適用方法を検討し,説明変数の選び方や時系列データのLag設定がモデル精度に対して重要となることを述べた。本検討結果はエンジンを対象とした統計モデリングの手法の一つとして有効であり,モデル作成のためのデータ群を学習させる上では車両の運動状況も重要であることがわかった。 今後も更なる低排出ガス・低燃費化の実現に向け,統計モデルによるCE推定精度を更に向上させる。それと並行して,広く他の課題にも適用できるように,本技術を基に汎用的な統計モデル化の技術基盤に発展させていきたい。■著 者■平野 拓男松江 浩太参考文献付録桑原 一徳 和田 正義
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