マツダ技報 2021 No.38
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 Fig. 14は,基本粒径71.78 μmのアルミニウム粒子を用いた粒状体ダンパモデルの計算値並びに中央加振での実測値について,損失係数を比較した結果となる。グラフ横軸は,空隙率 ε [%],縦軸は損失係数 η [-]を示し,粒子の充てん量増加に伴って減衰性能が向上した傾向を示す。モデルでの予測結果は,実測値と比較して15%以内の予測精度となり,縮小されたモデルでも一定の精度をもっている。―166― l i0 ]°[ )latnemirepxE(esoper f:0.40:0.38:0.27:0.25oegnA]-[η rotcaf gnpmaD[μm][°]X + - 3.2 減衰性能予測結果及び考察 構築したモデルを用いて減衰性能予測を行い,計測結果との予実差について比較を行った。モデル検証には,実験方法を準拠して容器下部から垂直方向の振動をランダム波によって与え,荷重の周波数特性から損失係数を算出した。また,対象物の固有振動数は試験で得られた反共振周波数と同一となるようにばね定数を調整することで可動粒子の挙動を実測と揃えた比較計算を行っている。なお,予実差の検証は,粒径71.78 μmアルミニウム粒子と粒径125 μmジルコニア粒子にて比較を行った。これは,基本粒径31.79 μmでの性能予測は,高周波での計算実行に膨大な計算リソースを要することから上記2種の比較とした。Fig. 13に,強制加振時の粒子挙動に関する計算実施例を示す。図は,粒子に作用する力の大きさをカラーマップで示し,矢印が粒子に作用する速度ベクトルを示している。容器内部粒子は,不規則に動きながら構造体並びに粒子同士の衝撃力を受けて運動を行っている。Fig. 13 Granular Damper of Simulation1256.02000.310.822.00Fig. 14 Damping Factor for Porosity (71.78 μm 0.40Fig. 10 Comparison of Repose Angle Experiment and Simulation (71.78μm Aluminum Powder)Fig. 11 Comparison of Repose Angle Experiment and  同様の比較方法を用いて実験,解析で求めた安息角の相関結果をFig. 12に示す。一般的に,粒子径が小さくなるほど流動性が低下して静止摩擦係数も高くなるが本モデルでは静止摩擦係数0.25~0.40にて高い予測精度を得ることができた。Table 1に本研究で用いた粒子の物性値,安息角及び静止摩擦係数について示す。Simulation (125μm Zirconia Powder)Fig. 12 Comparison of Angle of Repose Simulation and Experiment (The Value in the Graph is the Static Friction Coe■cient.)Table 1 Physical Property Value of Granular MaterialParametersGranularDiameterDensityYoung’s modulesPoisson’s ratioCoe■cient of restitutionAngle of reposeStatic friction coe■cientAluminum Powder)(a)Experimental: 26.67°(a)Experimental: 22.00°30252015101015Angle of repose (Simulation) [°](b)Simulation: 25.37°(b)Simulation: 23.62°y = 0.98x + 0.9852025300.30.20.10.0ExperimentSimulationLow vibrationLight weight 2550Porosityε[%]75100UnitValue[-]AluminumZirconia71.78[g/cm3]2.7[GPa]68.3[-]0.34[-]0.526.67[-]0.50Load Z Slice Container Force vector Z Y

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