マツダ技報 2021 No.38
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 MX30向けに新開発したエレキシフトシステムの技術紹介を行った。本システムは,パワートレイン本体系,車両シャシー系,制御系設計及び関連実研など,多数の開発部門の連携と協力によって,商品化を実現した。今後もお客様が「安心・安全」にお乗りいただける車両を提供すべく,マツダの開発部門が保有する技術力を継続して磨き,それらを結集させながら,新技術・新機能の開発に邁進する所存である。(1) 臼田ほか:SKYACTIVのMBD検証環境について,マ―31― 木村 隆浩 岩本 武尊 5. おわりに EV-MODEL Fig. 14 Transaxle and EPL(Electric Parking Lock)4.5 制御システム及び制御の機能検証 MX30のエレキシフトシステムでは,ステーショナリー式のシフターを採用していることから,オートP機能作動時など,シフトレバーの位置とトランスアクスルのシフトポジションがアンマッチとなる場合がある。そのため,その状態とそれらの制御における状態遷移が通常よりも多くなっている。状態遷移をモデル化した上で,MILS(Model In the Loop Simulator)環境を活用したシミュレーション(1)で制御ソフトウェアの動作を検証することで,制御ロジックを作り込んでいる。このようにして作成したソフトウェアをPCMに実装し,開発試作車で意図どおりの機能が実現できていることを最終確認している。効率的な開発の実現を目指して,マツダが従来から培ってきたMBD(Model Based Development)を活用した機能検証を通して,安心・安全を提供する車両のシステム及び制御の確かな品質を作り込んでいる。EPL Mild Hybrid Model ツダ技報,No.31,pp.48-53(2013)■著 者■上村 裕樹岡山 裕之参考文献徳永 幸司 延河 克明

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