マツダ技報 2021 No.38
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―35―deepSecheVeuqroT ] ]hmk[mN rooM ] tuoP ]Wk[tabPWk[ deepS ]h/mk[ echeV euqroT ]Wk[ rotoMWk[tmN ] t ] li [ li/ t[ uoPabPPbatTmot≦(Pout−Pdcdc−Pac)・ηmot/Nmot ηmot=Tmot/(Pbat-Pdcdc-Pac)・Nmot Pout Time Fig. 6 Comparison of Pbat and Pout without Feed Back ControlFig. 7 Comparison of Pbat and Pout with Feedback 3.3 バッテリークーリング・ヒーターシステム MX30では,入出力可能電力を良い状態に保つため,空調システムの冷媒を用いたクーリングシステムを構築した。Fig. 8 にシステムの概要を示す。空調システムは,冷房と暖房の双方に使用可能なヒートポンプシステムを採用している。駆動用バッテリーを構成する各バッテリーモジュールには,冷媒との熱抵抗が最小になるように冷媒の流路を設置し,バッテリーが高温になった時のみ,バッテリークーリング用の膨張弁を開き冷媒をバッテリー側にも流している。Fig. 8 Schematic Diagram of Cooling System for the Pout Time Pbat Control (Kalman-Filter)Battery Moduleのとおりに制限することで,PbatをPout以下にすることができる。(2) ここで,ηmotを得るにはあらかじめPCMに実装しておいたマップを参照する手法が簡便である。ただし,ηmotはモーターインバーター内部の温度の依存性や,個体バラツキをもつ。そのため,マップによりηmotを得るオープンループ制御のみで,Poutを逸脱しないようにするには,誤差を考慮したマージンを確保してTmotを制限する必要がある。 Fig. 6 に,マージンを確保した制御で,アクセル開度全開で加減速を繰り返した際のPbatとPoutの挙動を示す。モータートルクは正値が駆動,負値が回生を示し,PbatとPoutは正値が充電(入力),負値が放電(出力)を表している。加速時にPbatは低下(バッテリ出力が増加)しているが,Poutを超えることはない。しかしながら,Poutに対して大きなマージンが確保されており,Poutを使い切れていないことが分かる。 そこで,Pbatを観測し,(3)式によりηmotをリアルタイムに演算し,Tmotを制限するフィードバック要素を取り入れた。(3) (3)式右辺の分子,もしくは分母が0近傍になる場合や過渡時においては,ηmotの誤差は大きくなる傾向がある。また,Pdcdcなどの観測値の誤差も無視できない。そのため,本制御ではカルマンフィルターによるηmotの精度向上を行っている。 Fig. 7 に,フィードバック制御を実施した際の実際の挙動を示す。ここで,モーター内部の温度を氷点下に保ち,ηmotの誤差を生じやすいようにした。加速時にPbatが低下(バッテリー出力が増加)するが,モータートルクを適切に制限することで,PbatがPoutを超えることなく,ほぼ重なっていることが分かる。つまり,Poutを余すことなく,ほぼ使い切った走行ができている。 このクーリングシステムの課題は空調と冷却の両立である。外部充電中も積極的に冷却を実施することで,走行開始時に温度が低い状態を作り出し,走行中の冷却の頻度を抑制している。また,走行中に冷却が必要となった場合も,走りの魅力を失わない範囲で走行性能の低下

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