マツダ技報 2021 No.38
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(1) 石黒恭生:次世代電池:ノーベル賞受賞液系リチウムイオン電池を将来へ繋ぐ全固体電池開発,学術の動向,Vol.25, No.2, pp.26-32(2020)(2) 国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構:「革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発」基本―36―lill l ltIldeepsadepadepecheVeccAekarBCOSrewoPnoebaupnitareeccA4. おわりにVehicle accelerationFriction brakeRegenbrakeRegenerationtorqueLDAtorque(Frictionbrake)timeNecessaryminimum deceleration level Fig. 9 The Time-Chart of Loss Deceleration AssistFig. 10 Power Meter of MX30 EV MODELPowermeterPowermeter needlePowergauge indicatorsを許容し,空調との両立を図っている。 入出力可能電力はバッテリーの劣化が進んだ場合も減少する。MX30では,走行を終了して駐車する際にバッテリー温度が高い場合は,駐車中の冷却も可能にしている(実施可否は選択可能)。これにより,高温状態での放置の頻度を下げ劣化を抑えている。 低外気温下でも出力可能電力を確保するために,バッテリーヒーターを搭載した。バッテリー温度が一定以下になった際,ヒーターに通電することで温度降下を防ぎ,走行性能の低下を抑制する。一方で,駐車中にヒーターを作動させると,SOCの低下が懸念される。そこで,運転者がヒーターの作動の許可/禁止を選択できるようにし,航続可能距離と走りのバランスを調整できるようにした。なお,バッテリーヒーターは低外気温下での充電時間の短縮にも貢献している。3.4 Loss Deceleration Assist MX30では,走行中にアクセルオフした時,モーターでの回生(発電)により通常のガソリン車のエンジンブレーキと同様の減速力を発生させている(アクセルオフ回生)。また,ブレーキペダルの踏み込み時は,摩擦ブレーキと回生ブレーキが連動する協調回生ブレーキを採用している。 アクセルオフ回生においては,満充電等でバッテリー入力可能電力が低下する場合,狙いの減速力が発生させられない。そこで,入力可能電力が低い状態を補うため,アクセルオフ回生が低下する状態であっても,ブレーキユニットと協調し摩擦ブレーキを補助的に作動させ,減速中の安心感を得るのに必要な減速力を確保させている。このシステムを「Loss Deceleration Assist (LDA)」と呼ぶ。 Fig. 9 に,Loss Deceleration Assistの動作のイメージ示す。ブレーキとアクセルペダルの両方を離して,坂を下り続けるシーンである。最初はアクセルオフ回生を実施しているが,SOCの上昇につれて入力可能電力が減少するため,アクセルオフ回生による減速感が目減りする。そこで,摩擦ブレーキを作動させ,目減り分を補填している。最終的には回生が全くできなくなるが,摩擦ブレーキのみで最低限の減速度を確保する。3.5 Human Machine Interface 他にも入出力可能電力の低下を補う技術として,Human Machine Interface (HMI) を用いて,出力可能電力が低下した際,運転者が駆動力への影響をリアルタイムで把握できるようにしている。Fig. 10 にパワーメーターの外観を示す。出力可能な最大パワーをゲージ(セグメント)で表示し,実際のモーター出力を針で示すようにした。運転者は現在の出力と最大パワーとの差分を直感的に把握することでき,追い抜きなどで適切なアクセル操作が可能となる。 マツダではプレマシーハイドロジェンREハイブリッド(3)(4),デミオBEV(5)といった電気駆動車を継続的に開発しており,蓄積してきた基盤となる要素技術を基にMX30 EV MODELを提供することができた。今後も,更に魅力的な電気駆動車を提供していくため,走る歓びを実現する機能とともに電気駆動システム要素技術も進化させていく。参考文献

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