マツダ技報 2021 No.38
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 MX30では,複数機能を追加したことに伴い,ユーMX-30では,複数機能を追加したことに伴い,ユーザザー操作インターフェースと,それによって変化する車ー操作インターフェースと,それによって変化する⾞両の両の状態,通知などのユーザーフィードバックの組み合状態,通知などのユーザーフィードバックの組み合わせが無数に存在する。これらを,モデルと実機を使い分けて効わせが無数に存在する。これらを,モデルと実機を使い率的かつ網羅的に検証を⾏い,開発品質を担保した。 分けて効率的かつ網羅的に検証を行い,開発品質を担保5.1 モデルによる検証 した。各コンポーネント間の検証は,1:1の協調制御のみでなく,各機能作動においては複数のコンポーネントとの協調5.1 モデルによる検証制御が同時並⾏して作動し⾮常に複雑化している。これら 各コンポーネント間の検証は,1:1の協調制御のみでなく,各機能作動においては複数のコンポーネントとの協調制御が同時並行して作動し非常に複雑化している。 これら協調制御を破綻させずにあらゆるシーンでもねらいの動作を実現できることをMILS(Model In The Loop Simulation)にて検証した。MILSではパラメーターを自在にコントロールできる特性を生かし,協調制御のフィードバックを通常応答・応答なし・異常応答に振ったテストを実施し,各機能の検証を行った。 各機能間での成立確認については,ユーザーマトリッ―46― 4.3 マトリックスによる一括モード管理  複数機能を安全かつ不整合なく動作させるため,ユー4.2 マトリックスによる⼀括モード管理 ザー操作に対して一括で作動させる機能を管理する仕組複数機能を安全かつ不整合なく動作させるため,ユーザみ(ユーザーマトリックス)を構築した。ユーザーマトー操作に対して⼀括で作動させる機能を管理する仕組みリックスは,パワーソース(駆動用バッテリ電力・ガソ(ユーザーマトリックス)を構築した。ユーザーマトリッリン燃料・外部電力などのエネルギー)を使用する機能クスは,パワーソース(駆動⽤バッテリ電⼒・ガソリン燃をマトリックスで管理し,商品性や安全性の観点から各料・外部電⼒などのエネルギー)を使⽤する機能をマトリ機能間の優先度を設定する。これにより,領域をまたックスで管理し,商品性や安全性の観点から各機能間の優先度を設定する。これにより,領域をまたがった機能の作がった機能の作動要件を一元管理し,要件の抜け漏れ防動要件を⼀元管理し,要件の抜け漏れ防⽌や全体の統⼀性止や全体の統一性を図った(Table 1)。更に,これを頭を図った。(Table1)さらに,これを頭脳ECUであるPCM脳ECUであるPCMで一括管理することで,不整合のなで⼀括管理することで,不整合のない機能作動を担保するい機能作動を担保する構造を構築した。構造を構築した。  また,今後の電気駆動システムの進化に伴う新機能追また,今後の電気駆動システムの進化に伴う新機能追加加時も,本マトリックスを拡張することでフレキシブル時も,本マトリックスを拡張することでフレキシブルな対な対応を狙う。応を狙う。 -4- ○Enable ×Disable −No Care ○Enable ×Disable -No Care協調制御を破綻させずにあらゆるシーンでも狙いの動作を実現できることをMILS(Model In The Loop Simulation)にて検証した。MILSではパラメーターを⾃在にコントロールできる特性を⽣かし,協調制御のフィードバックを通常応答・応答なし・異常応答に振ったテストを実施し,各機能の検証を⾏った。 各機能間での成⽴確認については,ユーザーマトリッククスで規定した状態遷移が正しく遷移することをHILSスで規定した状態遷移が正しく遷移することを(Hardware In The Loop Simulation)にて検証した。HILSHILS(Hardware In The Loop Simulation)にて検証した。ではユーザーモデルと車両モデルを実装し,機能追加にHILSではユーザーモデルと⾞両モデルを実装し,機能追加よって増加したユーザー操作を,さまざまな車両状態かによって増加したユーザー操作を,様々な⾞両状態から⼊ら入力して検証を行った。⼒して検証を⾏った。  更にこれらモデル検証は,自動でテストパターンを順さらにこれらモデル検証は,⾃動でテストパターンを順番に実行できる環境を構築することで,効率的に短期間番に実⾏できる環境を構築することで,効率的に短期間でで検証を完了した。検証を完了した。 5.2 実機による網羅性検証 実機検証では機能追加に伴って増加した,ユーザー操作5.2 実機による網羅性検証や画⾯などの通知といったユーザーインターフェースに着 実機検証では機能追加に伴って増加した,ユーザー操⽬して検証を⾏った。停⾞/⾛⾏,キーOFF/ACC/IGなど作や画面などの通知といったユーザーインターフェースの12V系電源状態,⾼電圧電源状態,シフトなど各⾞両状に着目して検証を行った。停車/走行,キーOFF/態に応じてユーザー操作に対する応答や画⾯状態を網羅的ACC/IGなどの12V系電源状態,高電圧電源状態,シに検証する必要があるが,組合せが無数となり発散してしフトなど各車両状態に応じてユーザー操作に対する応答まう。 や画面状態を網羅的に検証する必要があるが,組合せが そこでユーザー操作に対する応答と画⾯表⽰は,検証し無数となり発散してしまう。たい項⽬に焦点を当てユーザー操作に対する応答と画⾯表 そこでユーザー操作に対する応答と画面表示は,検証⽰は別評価とし,それぞれを詳細に検証することで網羅性したい項目に焦点を当てユーザー操作に対する応答と画を担保することとした。ユーザー操作に対する応答は,先面表示は別評価とし,それぞれを詳細に検証することで述のユーザーマトリックスを活⽤し⾞両の状態変化に着⽬網羅性を担保することとした。ユーザー操作に対する応した複合状態遷移テストで,画⾯表⽰についてはメータ/ヘッドアップディスプレイー/センターディスプレイ/ロア答は,先述のユーザーマトリックスを活用し車両の状態ディスプレイの4つの画⾯変化に着⽬した画⾯遷移テスト変化に着目した複合状態遷移テストで,画面表示についで詳細に検証を⾏った。 てはメーター/ヘッドアップディスプレー/センター複合状態テストの充電機能検証では,キーOFFから充電ディスプレー/ロアディスプレーの4つの画面変化に着コネクタを挿⼊し,充電状態に遷移する基本的な動作だけ目した画面遷移テストで詳細に検証を行った。ではなく,充電コネクタ挿⼊タイミングでパワースイッチ 複合状態テストの充電機能検証では,キーOFFから充を操作するといった⼆⼈同時操作も実施した。また,充電電コネクタを挿入し,充電状態に遷移する基本的な動作コネクタを挿してから実際に充電電流が流れて充電開始すだけではなく,充電コネクタ挿入タイミングでパワースるまでの間に充電設備停⽌スイッチを押すなどの状態遷移イッチを操作するといった二人同時操作も実施した。ま中に別操作の割り込みテストやパワースイッチの連続操作た,充電コネクタを挿してから実際に充電電流が流れてによるEVシステム作動ON/OFF繰返しテストなど,あら充電開始するまでの間に充電設備停止スイッチを押すなゆる操作を想定して網羅的に検証を⾏っている。 どの状態遷移中に別操作の割り込みテストやパワース画⾯遷移検証ではHILSを⽤いてワーニング閾値の確認,イッチの連続操作によるEVシステム作動ON/OFF繰り返しテストなど,あらゆる操作を想定して網羅的に検証を行っている。Table 1 User MatrixFig. 7 Verification by HILS Fig.6 Current consumption Table1 User matrix 5. 高電圧システム検証5. ⾼電圧システム検証

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