うUnderbody Respot(Fig. 13,以下,UR)工程である。(2)事前評価・車体工程良品条件設定 マイルドハイブリッド車のPFは現行量産車と共通部分―70―3. マルチPFにおける等価品質課題と取り組み3.1 PF構造 MX30にはマイルドハイブリッドとバッテリーの2種類のパワーソースがあり,マイルドハイブリッド車については,これまでのガソリン車のPFを踏襲した構造となっている。一方,BEVはバッテリー搭載性を考慮したPF構造となっている。そのため,これら2つのPF構造ではFig. 11に示すように,中央部に位置するフロントフロア構造,フロントシート下の構造に大きな差がある。それぞれのパワーソースにおいて,完成車でねらいの外観品質を実現するためには,車両構造差を踏まえたPFの造り分けが重要となる。Fig. 13 Underbody Respot Process3.3 等価品質実現における課題と取り組み(1)事前評価・ボディー精度ねらい値の決定 まず,重量差のある2種類の車両構造で同じデザイン・外観品質を実現するためのボディー精度のねらい値算出を実施した。先述したように,マイルドハイブリッド車とBEVではPFの構造が異なる。そのため,構造からくる剛性差によりバッテリーなどの重量物搭載が精度変化につながることが懸念された。車両で精度差の出ないボディー剛性値を開発部門と協働で決定し,CAE上でボディー状態の剛性差を抑える活動を実施した。指標にボディーの自重たわみを置き,目標値を差異0.1mm未満として構造開発を進めた。PFの前後4点を拘束し,自重を与えたときのPF中央部変位量をFig. 14に示す。この結果から分かるように,差異が0.1mm未満とボディー剛性差を抑えることができた。バッテリーなど重量物搭載による精度変化を無視できるボディー剛性・構造を造り込むことができたため,それぞれの仕様で同じ精度目標を設定し,目標が達成できる沿い面精度や打点順序などの良品条件設定を行った。Fig. 14 Self-Weight AnalysisFig. 10 Reflection of LightFig. 11 PF Structure Comparison3.2 車体PF組立ライン概要 車体のPF組立ラインは大きく2つに分けることができる。1つはそれぞれの部品の関係を治具と呼ばれる要具で位置決めを行い,スポット溶接・プロジェクション溶接などの加工を行うUnderbody Tack(Fig. 12,以下,UT)工程,もう1つはUT工程にて部品の相対位置関係が固まったPFに対し,ねらいの剛性・強度を出すための加工を行Fig. 12 Example of the Underbody Tack ProcessM Hybrid PF BEV PF Restraint Point Part-B Part-A Part-C 0.00 0.50 Measuring point 0.31 M Hybrid Body 0.37 BEV Body Jig 1.00 1.50 上記取り組みにより,成形過程での応力緩和と成形完了後の変形抑制することに成功した。これらを量産金型に織り込み,Fig. 10に示すよう同一型でMX30の開口あり・なしのデザイン面品質保証を実現した。
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