マツダ技報 2021 No.38
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(1) 平野ほか:ソウルレッドクリスタルメタリックの開発,マツダ技報,No.34,pp.87-92(2017)(2) 本橋ほか:サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030,マツダ技報,No.35,pp.3-8(2018)(3) 篠田ほか:VOCとCO2を同時削減する新塗装技術「アクアテック塗装」,自動車技術, Vol.70, No.6,pp.77-82(2016)―78―snoissime 2▲37%OC0 永田 浩太郎 (%)1009080706050403020104. 省エネルギー 3トーン塗装の効果5. おわりにFig. 12 CO2 EmissionsFig. 13 MX30 100th Anniversary Special Edition3-tone processGeneral 3-tone 3rd 2nd 1st MX-30 3-tone 3rd 2nd 1st 1st  今回の一連の取り組みにより,一般的な3トーン塗装工程に比べて大幅なエネルギー削減が可能となり,年間CO2排出量に換算すると,約37%削減できた(Fig. 12)。 この他にも,検査作業に必要な照度を人間工学に基づいて明らかにし,それを実現できるLED照明システムを導入して検査工程における消費エネルギーも従来比80%削減している。 また,湿式ブースを廃止したことにより水資源の保全にも貢献できた。 更に,今回の3トーン工程は環境にやさしいだけでなく,大規模な設備投資なしで,マツダ創立100周年記念の限定車に採用したような2トーンカラーも導入する事ができ,将来の商品ラインナップの幅を広げることを可能にするフレキシブル性も兼ね備えている(Fig. 13)。 先述のように,塗装工程は環境負荷の高い工程であり,持続可能な社会実現のためには,省エネルギーの取り組みを加速させていく必要がある。今回開発した技術や知見を継続進化させ3トーン工程やアクアテック工程の更なる環境負荷低減に取り組みつつ,高意匠カラーなどのお客様へ感動して頂けるような価値を提供することに,今後も挑戦していく。■著 者■松元 貴大参考文献服部 博晃

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