マツダ技報 2021 No.38
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―89―Fig. 12 Particulate Number4.4 新燃焼技術の構築による弊害と対応 Fig. 13に従来エンジンと新型でのインマニ/吸気ポートの通路断面形状を示す。Fig. 13 Comparison of Intake PortFig. 14 Evolution of Intake SystemFig. 9 Image of Air Guide ProcessFig. 10 Comparison of A/F in Cylinder at Ignition Timing during Catalyst WarmingFig. 11 Comparison of Flame during Catalyst Warming このAir Guide成層方式では,SCV開度を調整し,インジェクタ先端に流速の遅い渦中心を配置することによって,流動と噴霧が干渉することなく,燃焼室中央部に燃料を噴射することができる。渦中心に噴射された燃料噴霧は,ピストンにほとんど衝突することなく中心部で漂い蒸発する。蒸発した燃料は,拡散することなくピストンの上昇によってプラグ近傍に輸送される。 Fig. 10に従来型のWall Guide方式と新型のAir Guide方式での点火時混合気分布の解析結果を示す。混合気形成過程は異なるものの,燃焼安定性に必要とするプラグ近傍燃料濃度を実現できており,実機検証においても従来エンジンと同等の燃焼安定性を有していることを確認している。 また,可視化エンジンにて両者の燃焼を観察した結果,新型エンジンではPN・PM発生と相関があると考えられている輝炎(オレンジ色の火炎)を大幅低減できていることを確認できた(Fig. 11)。PNの実測結果においても,WLTCモードで現行比57%粒子数低減できていることを確認した(Fig. 12)。 斜め渦流動を生成するためのSCVは,応答性が優れているバタフライ式SCVを採用し,市街地走行で使用頻度が高い部分負荷域での燃焼改善を行い,高速高負荷はシリンダーヘッドの吸気ポートと併せてインマニランナーを最適形状とすることで,現行比同等の吸気Cfを担保した。またこの変更により,タンブル比も改善することができている(Fig. 14)。

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