マツダ技報 2022 No.39
120/275

―111―Fig. 4 DEA System Configuration4. ドライバー異常検知4.1 異常姿勢検知 「ドライバー異常自動検知システム 基本設計書」(4)で定義されている姿勢崩れの検知パターンを示す(Fig. 5)。Fig. 5 Detection Target of Posture PatternFR FSC FSR/RSR Sonar OMS Object Detection Object Detection Lane Marker Detection Object Detection Object Detection Driver Monitoring VCM Multi Sensor Fusion Path Planning Vehicle Motion Control DEA Mode JudgemeDEA State Judgement nt Body/HMI Control Around Vehicle Monitoring PCM DSC BCM TCU CMU Acceleration Control Deceleration Control Electronic Power Steering Steering Control Body Control Emergency Call Control Mulch Display Control きる状態であるかを常時判定する。ドライバーが正常運転できない状態に陥ったと判定した場合,自動的にDEAの車両制御機能と車内外への報知機能を作動させる。また,SOSスイッチ操作後に続けて電動パーキングブレーキ(EPB)スイッチを引き上げると手動でも作動できる。 機能➁ 注意喚起/作動開始通知 : ドライバー異常検知後,自車周辺の交通参加者に対して非常点滅表示灯の点滅により注意喚起を行う。ドライバーや乗員に対してはセンターディスプレー等への表示により,間もなく減速を開始することと,DEAのキャンセル方法を通知する。またこの時,車線維持可能と判断した場合は,車線維持する。 機能➂ 路肩に寄せる : 高速道路や自動車専用道路の路肩に隣接する車線を走行中であり,システムが路肩に寄せることが可能と判断した場合は,5kphまで減速後,左方向指示器を点滅させながら路肩に寄せ,その後減速・停止させる。 機能➃ 減速/車線維持 : 路肩に寄せることができない状況の場合は,減速・停止させる。この時,車線維持可能と判断した場合は,車線維持しながら減速・停止させる。 機能➄ 停止保持/救護支援 : 停止後は非常点滅表示灯と制動灯の点滅及びホーンの吹鳴を継続するとともに,自動的に電動パーキングブレーキの作動,ドアの解錠,エマージェンシーコールへの接続を行うことで,周囲への注意喚起とドライバーの救護支援を行う。3.2 システム構成 DEAのシステムは,➀外部環境,ドライバー状態,車両状態を検知するセンサー群(フロント・レーダー(FR),フォワード・センシング・カメラ(FSC),フォワード/リア・サイド・レーダー(FSR/RSR),超音波センサー(Sonar),ドライバーモニタリングカメラ(OMS)),➁検知情報からDEAの作動要否や作動目標を設定し,車両や報知の制御指令を出力する電子制御ユニット(VCM),➂制御指令に基づき車両挙動や車内外報知を制御するアクチュエータ群(パワートレイン・コントロール・モジュール(PCM),ダイナミック・スタビリティ・コントロール・ユニット(DSC),電動パワーステアリングユニット,ボディー・コントロール・モジュール(BCM),車載通信ユニット(TCU),コネクティビティ・マスタ・ユニット(CMU))で構成される(Fig. 4)。ハードウェア及びその構成は既存のi-ACTIVSENSEと共通として,DEAで新規となるドライバー異常検知機能,路肩に寄せる機能,車内外への報知機能などはECUへのソフトウェア追加により実現している。

元のページ  ../index.html#120

このブックを見る